自然科学研究機構 国立天文台

野辺山太陽電波観測所の歴史が見える航空写真

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野辺山太陽電波観測所の歴史が見える航空写真

野辺山太陽電波観測所は、2014年度をもって国立天文台の組織から消え去ります。野辺山高原の信州大学農学部の敷地をお借りして、1970年に160MHz太陽電波干渉計を完成させて以降、40数年間にわたり太陽観測専用の電波装置群を建設・改良し、毎日休まず運用を続けて世界中に観測データを提供してきました。現役の電波ヘリオグラフは国際コンソーシアムの支援を受け名古屋大学太陽地球環境研究所が、また強度偏波計群は国立天文台が運用を継続します。

野辺山の太陽電波観測装置のあゆみ

最初の160MHz太陽電波干渉計は、太陽の外側に広がるコロナ中層で生じる電波を観測するもので、東西系アンテナ11基(最大基線長2.3キロメートル)と南北系6基で構成され、東西系4基と南北系2基が写っています(架台が橙色、銀色メッシュパラボラで直径6メートル)。これと同じ形のアンテナ(直径6メートルと8メートル)を用いた70-600MHz電波スペクトル計2基は、電波の強さの周波数分布(スペクトル)の時間変化を観測するもので、東西系アンテナの間に並んでいます。その後太陽フレアをより高い時間・空間分解能で観測したいという学問的要請に応えて1978年に観測を開始したのが17GHz多相関器型太陽電波干渉計(東西一次元:直径1.2メートル、14基:写真左端)で彩層やコロナ下層で発生する電波を観測するものです。手作り部分が多かったのですが性能は画期的で、その経験が1992年観測開始の電波ヘリオグラフ(直径80センチメートル、84基:写真中央のT字型配列)建設へと繋がりました。その他に、17GHzと35GHz&80GHz太陽電波強度偏波計アンテナが写真下部に見えます。

文:川島 進(チリ観測所)