自然科学研究機構 国立天文台

すばる望遠鏡から射出されるレーザーで人工星を作る

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すばる望遠鏡から射出されるレーザーで人工星を作る

ハワイ観測所すばる望遠鏡ではレーザーガイド星補償光学系が共同利用観測に提供されています。補償光学は大気ゆらぎによる像の歪みを即座に直して、望遠鏡の性能限界の鮮明な星像を得る装置です。大気ゆらぎによる星像の歪みを測るために明るい星を使いますが、調べたい天体のほうに、いつも都合よくあるわけではありません。そこで、レーザーで高度90キロメートルにあるナトリウム原子層を光らせて人工星を作り、補償光学を動作させています。

レーザーガイド星補償光学で鮮明な画像を得る

Q: ドームの中からすばる望遠鏡を見上げたアングルですね。オレンジ色の線がレーザーなのですか?
A: はい、望遠鏡の副鏡の背後からレーザービームを空に照射しているのです。
Q: なんのために?
A: 補償光学のための人工星を作るのです。上空90キロメートルに漂うナトリウム原子を光らせるオレンジ色に合わせています。
Q: 他の望遠鏡の邪魔にはならないのですか。
A: 他の望遠鏡がレーザービームを見てしまうと影響があります。レーザートラフィックコントロールシステムというのを使って、他の望遠鏡にレーザー光が干渉しないようにしています。
Q: マウナケアの他の望遠鏡もレーザーガイド星補償光学を備えているのですか?
A: すばる望遠鏡の他には、ケック望遠鏡2台、ジェミニ望遠鏡が備えています。4本のレーザーが空に照射されていることもあります。レーザーどうしが干渉するときは、先に照射したほうが優先されます。

文:早野 裕