今週の一枚
超巨大黒点群で起こった最大規模の太陽フレア
天体 | 太陽 |
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望遠鏡 | 太陽観測衛星「ひので」可視光磁場望遠鏡 |
観測装置 | 広帯域フィルタ撮像系 |
波長 | カルシウム |
撮影日時 | 2014年10月22日23時10分48秒(日本時間) |
著作権 | 国立天文台/JAXA |
今週の一枚
天体 | 太陽 |
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望遠鏡 | 太陽観測衛星「ひので」可視光磁場望遠鏡 |
観測装置 | 広帯域フィルタ撮像系 |
波長 | カルシウム |
撮影日時 | 2014年10月22日23時10分48秒(日本時間) |
著作権 | 国立天文台/JAXA |
太陽観測衛星「ひので」が捉えた超巨大黒点群で起こった太陽フレアです。この黒点は、昨年10月下旬に現われ、肉眼でも見える大きさと話題になったものです。ちょうど、国立天文台の特別公開の際に太陽面中心付近に位置し、日食グラスで見た方もいらっしゃると思います。太陽フレアは太陽面上の爆発現象で、フレアが起こると、多量のX線や高エネルギー粒子が発生し、その一部は地球にも飛来します。太陽フレアの規模は5段階で表現されることが多いですが、最大規模を示すXクラスのフレアが発生した際の画像です。
太陽フレアの発現メカニズム解明を目指して
太陽フレアにともなって発生する電荷を帯びた高エネルギー粒子が地球に飛来すると、通信障害が起きたり、人工衛星や宇宙飛行士の船外活動に影響を与えたりする場合があります。非常に大きなフレアの発生が原因で、高緯度地方で大停電が起こったこともあり、私たちの生活と無関係ではありません。どのようにして太陽フレアで大きなエネルギーが解放されるかは、「ようこう」衛星等の成果でかなり理解されてきましたが、「いつ・どこで太陽フレアが発生するのか」というフレアの発現(トリガー)機構は、未だ解明されない重要な課題です。「ひので」衛星によって、数値シミュレーションデータと直接比較できるような高品質なデータを得ることができるようになり、フレアの前兆現象やフレア発生のきっかけを与える太陽表面の磁場構造についての研究が精力的に進められています。今回は、超巨大な黒点群で起こったフレアという貴重なサンプルであり、「ひので」の観測データを用いて様々な研究が始められています。
文:久保雅仁(ひので科学プロジェクト)