自然科学研究機構 国立天文台

標高5000メートルに運ばれていくアルマ望遠鏡7メートルアンテナ

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標高5000メートルに運ばれていくアルマ望遠鏡7メートルアンテナ

標高2900メートルの山麓施設(写真奥)での組み立て・性能試験を終え、標高5000メートルの山頂施設に運ばれる途中の日本製7メートルアンテナです。アルマ望遠鏡のすべてのアンテナは、このアンテナと同じように30キロメートルの道のりを約6時間かけてゆっくり慎重に運ばれ、山頂施設に設置されました。高山植物や巨大なサボテンがまばらに生えるアタカマ砂漠に、アンテナ運搬台車の黄色とアンテナの白が映えます。

アンテナ運搬台車はアルマ望遠鏡のために特別設計で作られたもので、2台が現地で活躍しています。長さ20メートル、幅10メートル、重さ130トンのこの特殊車両は、山麓施設と山頂施設のあいだのアンテナ移動で使われるほか、山頂施設内でのアンテナ移設にも使われます。700馬力のディーゼルエンジンを2機搭載し、14組28個のタイヤを自在に操って重さ100トンのアンテナを安全に運び正確に設置します。アンテナ移動が行われる前には道路整備チームが路面をならし、運搬台車オペレーターチームはダミーアンテナを使って運転訓練も行います。幾度となく繰り返されるアンテナ移動の結果として、アルマ望遠鏡の高精細な電波画像が作り出されるのです。

文:平松正顕