今週の一枚

皆既月食――2014年10月8日

皆既月食――2014年10月8日

月の出から1時間あまり。東の空の満月がみるみる地球の影に隠れ、月面に黒い影が落ちていきました。さらに1時間後には月全体が地球の影にすっぽりと入り込み、皆既月食となりました。2011年12月以来のおよそ3年ぶりの皆既月食です。

東京・三鷹では、日の入り前までは、ところどころに青空が見え隠れするものの空は厚い雲に覆われる怪しい空模様でしたが、月が高度を上げると共に雲が切れ、月食が始まる頃には申し分のない空に変わりました。赤銅色(しゃくどういろ)の月は、あいにく皆既終了の前に厚い雲に遮られてしまいましたが、今回も夜空に浮かぶ神秘的な皆既中の月の姿と、その間に頭上に広がる夏の星空を楽しむことができました。また、輝きを失った月のすぐ近くには天王星を見つけることもできました。

2015年4月4日には、再び日本全国で皆既月食を見ることができます。

文:小野智子(天文情報センター)