今週の一枚

天王星の環と衛星アリエル、ミランダ

横倒しで縦に環を持つ惑星として知られる天王星ですが、その環の正式な発見は天王星の環による恒星の掩蔽(えんぺい)観測によるものでした。可視光では暗く、簡単に見ることはできませんが、宇宙望遠鏡や地上からの巨大望遠鏡による赤外線画像により、その姿を私たちに見せてくれます。この写真は、すばる望遠鏡に搭載された近赤外線カメラCIAOで取得した画像です。メタンの大気を持つ天王星本体と、環と衛星のアリエルとミランダがはっきり写っています。現在、このカメラは使われていませんが、その後継機となる高コントラストカメラHiCIAOが観測を行っており、太陽系内の惑星ではなく、原始惑星系円盤や系外惑星の直接撮像といった成果を出しています。

文:日下部展彦(太陽系外惑星探査プロジェクト室)