今週の一枚トップ 今週の一枚 皆既月食――2011年12月10日 2014年9月16日 あたりを明るく照らしていた冬の満月が、少しずつ欠けていくと同時にその輝きを失っていった皆既月食。南中を迎える頃、月は夜空に溶け込んでしまうほど暗い鈍く光る球に姿を変えていました。漆黒の冬の夜空にぽっかりと浮かぶ皆既食中の月。その赤銅色(しゃくどういろ)の不思議な姿に目を奪われている間に、一斉に輝きを取り戻した星々が、まるでそこに月などないかのように冬の夜空を美しく彩っていました。 皆既月食の楽しみ 2011年12月10日の皆既月食は、日本全国で部分食の始まりから終わりまで見られるよい条件の現象でした。また、撮影地の東京では、食の最大時刻が月の南中時刻とほぼ一致していたことや、一晩中快晴で空の状態も良く、冬の夜空高く昇った赤銅色の月を心ゆくまで楽しむことができました。 皆既月食は、月が欠けていくようすや再び満月に戻っていくようす、皆既食中の月の色・明るさやその偏り、といった月そのものに注目するだけでなく、皆既食中に暗さを取り戻した夜空を見上げ、そこに輝く星々に目を向けることもお勧めします。満月の夜にひととき夜空を彩る星たちと赤銅色の皆既食中の月が共演するようすは、なかなかの美しさです。 2014年10月8日の皆既月食 今年10月8日には、一部の地域を除く全国で、部分月食および皆既月食の全行程を観察することができます。今回は、月が東の空に昇って間もない18時15分頃に部分食が始まり、19時25分頃からおよそ1時間にわたって皆既食を見ることができます。観察しやすい時間帯の現象ですので、ぜひこの月食を楽しみましょう。 国立天文台では、この10月8日の皆既月食に合わせて、皆既食中の月の色を観察する「皆既月食を観察しよう」キャンペーンを行う予定です。ぜひご参加ください。 文:小野智子(天文情報センター) 撮影日時2011年12月10日午後11時32分(日本時間) 撮影場所国立天文台 三鷹キャンパス 撮影者長山省吾、小野智子 著作権国立天文台 画像データ ダウンロード 最高解像度(1000 x 1000、162KB) 関連リンク 皆既月食 2014年10月8日 「皆既月食を観察しよう」キャンペーン 次の一枚:天王星の環と衛星アリエル、ミランダ 前の一枚:日本歳時記 今週の一枚トップ
あたりを明るく照らしていた冬の満月が、少しずつ欠けていくと同時にその輝きを失っていった皆既月食。南中を迎える頃、月は夜空に溶け込んでしまうほど暗い鈍く光る球に姿を変えていました。漆黒の冬の夜空にぽっかりと浮かぶ皆既食中の月。その赤銅色(しゃくどういろ)の不思議な姿に目を奪われている間に、一斉に輝きを取り戻した星々が、まるでそこに月などないかのように冬の夜空を美しく彩っていました。
皆既月食の楽しみ
2011年12月10日の皆既月食は、日本全国で部分食の始まりから終わりまで見られるよい条件の現象でした。また、撮影地の東京では、食の最大時刻が月の南中時刻とほぼ一致していたことや、一晩中快晴で空の状態も良く、冬の夜空高く昇った赤銅色の月を心ゆくまで楽しむことができました。
皆既月食は、月が欠けていくようすや再び満月に戻っていくようす、皆既食中の月の色・明るさやその偏り、といった月そのものに注目するだけでなく、皆既食中に暗さを取り戻した夜空を見上げ、そこに輝く星々に目を向けることもお勧めします。満月の夜にひととき夜空を彩る星たちと赤銅色の皆既食中の月が共演するようすは、なかなかの美しさです。
2014年10月8日の皆既月食
今年10月8日には、一部の地域を除く全国で、部分月食および皆既月食の全行程を観察することができます。今回は、月が東の空に昇って間もない18時15分頃に部分食が始まり、19時25分頃からおよそ1時間にわたって皆既食を見ることができます。観察しやすい時間帯の現象ですので、ぜひこの月食を楽しみましょう。
国立天文台では、この10月8日の皆既月食に合わせて、皆既食中の月の色を観察する「皆既月食を観察しよう」キャンペーンを行う予定です。ぜひご参加ください。
文:小野智子(天文情報センター)