今週の一枚

アルマ望遠鏡が描き出す年老いた星の不思議な渦巻き

アルマ望遠鏡が描き出す年老いた星の不思議な渦巻き

アルマ望遠鏡が観測した、年老いた星ちょうこくしつ座R星のまわりのガスの渦巻き。太陽のような星は寿命が近づくと大きく膨らみ、外層部のガスは宇宙空間に噴き出していきます。ちょうこくしつ座R星もそのような段階にありますが、その周囲を回る見えない伴星の重力によって噴き出すガスがかきまぜられ、不思議な渦巻き模様を作り出しました。この渦巻き模様を詳しく調べることで、年老いた星からのガスの放出の履歴を明らかにすることができます。

私たちの身近にある炭素や酸素は、ほとんどが核融合反応によって星の中で作られたものです。年老いた星で起きるガスの流出はこうした物質を宇宙空間に解き放つ役割を持っているため、宇宙全体の元素組成の進化に大きな影響を与えます。詳しくは、プレスリリース「アルマ望遠鏡が見つけた不思議な渦巻き星 - 新たな観測でさぐる、死にゆく星の姿」をご覧ください。

文:平松正顕(チリ観測所)