今週の一枚

マウナケア、夏の競演――天の川とペルセウス座流星群

マウナケア、夏の競演――天の川とペルセウス座流星群

都市の光害を遠く離れ、月明かりも無い暗夜、夏の夜空にほのかに横たわる天の川。ハワイ島マウナケア山で撮影されたこの写真は、北の空にかかる天の川の、無数の微光星と暗黒星雲の織りなす繊細な表情を見事に浮かび上がらせています。北東の空から飛び出した流星が偶然フレームの真ん中に飛び込んできました。この日は、三大流星群の一つ、ペルセウス座流星群の活動が最も活発になる極大の日。夏の夜空の風物詩が競演した瞬間です。

ハワイから見た北の星空

マウナケア山から北の空を切り取った一枚です。正面やや右、山の稜線のすぐ上に輝く星が北極星。左の稜線上にひときわ明るく輝く星はこと座のベガ。画面左、天の川の対岸にわし座のアルタイル、中央付近、天の川の中にはくちょう座のデネブを見つけると、夏の大三角を結ぶことができます。

夏の天の川

雄大に空を横切る天の川。無数の恒星が集まる様子を最初の確実な記録に残したのは、ガリレオ・ガリレイです。よく見ると、川の流れを分かつように星の少ない暗い領域が続いています。宇宙を漂う固体成分(星間塵(じん))によって星の光が吸収されている暗黒星雲の広がりです。

ペルセウス座流星群

北極星の直上、天の川の中にカシオペヤ座が見えています。そのすぐ東隣(右側)に並ぶ星座がペルセウス座。8月12日頃を中心に、その方向にある放射点から流星が四方に飛び出すように見えます。ペルセウス座流星群の極大付近では多くの流星が出現することから、観察しやすい流星群として知られています。

文:内藤誠一郎(天文情報センター)