自然科学研究機構 国立天文台

理論天文学の望遠鏡、スーパーコンピュータ「アテルイ」

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理論天文学の望遠鏡,スーパーコンピュータ「アテルイ」

Cray XC30「アテルイ」は国立天文台が運用する第4世代の数値シミュレーション専用スーパーコンピュータです。水沢VLBI観測所に設置され、2013年4月から共同利用運用をしています。24,192コアという非常に多くのコアを使用することで、システム全体で502Tflopsという高い理論演算性能を実現しています。アテルイはその中に宇宙を作り出し、実験的に天体現象を解明する、いわば理論天文学の「望遠鏡」なのです。

アテルイが見る宇宙

アテルイが計算しているのは、宇宙におけるあらゆる現象です。宇宙全体の構造の形成のような非常に大きなスケールから、地球のような惑星がどのようにしてできるかという小さなスケールのものまで、幅広い範囲の天体現象を扱っています。さらに138億年という宇宙が始まって現在に至るまでの長い時間から、ほんの1秒にも満たない星の爆発の瞬間まで、さまざまな時間スケールの現象をシミュレーションによって明らかにしようとしています。

アテルイの由来

アテルイ(阿弖流為)は、奈良時代から平安時代はじめに水沢付近に暮らしていた蝦夷の首長です。朝廷の大規模な軍事遠征に対して勇敢に戦った英雄として知られています。このスーパーコンピュータも、水沢の地で果敢に宇宙の謎に挑んで欲しいという願いをこめて、アテルイという愛称がつけられました。筐体には、篆書の「阿弖流為」を電子回路のようにデザインしたロゴが記されています。