質問4-4

1日の長さは変化しているの?

地球の自転速度は、長期的には、主に「潮汐摩擦」(潮の満ち引きによって起こる海水と海底との摩擦)によってだんだん遅くなっています。 しかし、数年から20年ぐらいの期間で考えると、地球内部にある「核」の運動の変化や、地球規模での水(海水、陸水、氷河)の分布変化などが原因となって変動し、自転速度は、必ずしも一定の割合で遅くなっているわけではありません。

それでは地球の自転はどのぐらいの割合で遅くなっているのでしょう。

19世紀の約100年間の地球の自転による1日の長さの平均が24時間に等しくなるように定められましたが、1990年頃には、地球は24時間より約2ミリ秒(1ミリ秒は1秒の1000分の1)長くかかって1回転しています。1回転にかかる時間が100年間で2ミリ秒長くなっていることになりますので、もしもこの割合がこれからもずっと続くと考えると、5万年で1秒、1億8千万年で1時間長くなることになります。このことはつまり、1億8千万年後には、1日の長さが25時間になってしまうということを意味しています。

しかし、この割合でずっと地球の自転が遅くなり続けるのかどうかはわかりません。現に、2003年現在、地球の自転を観測すると、地球は24時間より約1ミリ秒長くかかって1回転しています。1990年のころと比べると、地球の自転速度は、むしろやや速くなっているのです。

以上のように、地球の自転から決まる1日の長さが正確に24時間ではないため、そのずれが累積したときには調整をする必要があります。この調整のことを「うるう秒」といいます。うるう秒について、詳しくは「『うるう秒』ってなに?」をご覧ください。

(注:厳密には、遠くの星に対する地球の自転を考えた場合、地球は約23時間56分で1回転します。しかし、この項目では、太陽に対する平均的な自転周期である「1日」の長さが重要となりますので、「地球は1日(あるいは、24時間)で1回転する」という言い方をしています。)

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