日本全国で部分月食(2017年8月)

早朝に欠ける月を見てみよう
8月8日の早朝、部分月食が起こります。この月食は、日本全国で観察することができます。月は最大で直径の4分の1ほどが欠けます。
月は南西の空で2時22分に欠け始め、右下に向かって高度を下げながら、3時21分に最も大きく欠けます。その後は欠けた部分が徐々に小さくなり、4時19分に元の丸い姿に戻ります。
日本では南西に行くほど条件が良く、空の暗いうちに高い位置で月食を見ることができます。逆に、北東に位置する北海道などでは、月食が終わると間もなく日の出を迎え、すぐに月も沈みます。
食の始め | 食の始めの月の高度 | 食の最大 | 食分 (注) | 食の終り | 食の終りの月の高度 | 日の出 | 月の入り | |
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那覇 | 2時22.3分 | 39.8度 | 3時20.5分 | 0.251 | 4時18.8分 | 21.0度 | 5時58.2分 | 6時07.7分 |
福岡 | 32.3度 | 15.1度 | 5時35.4分 | 5時45.0分 | ||||
京都 | 28.5度 | 10.6度 | 5時11.4分 | 5時20.3分 | ||||
東京 | 25.8度 | 7.4度 | 4時54.2分 | 5時02.6分 | ||||
仙台 | 23.3度 | 5.5度 | 4時44.7分 | 4時53.1分 | ||||
札幌 | 19.5度 | 3.2度 | 4時32.3分 | 4時41.1分 |
(注)「食分」とは、月の欠ける度合いを示す数値です。月の直径を1として、月が地球の影にどこまで入り込んでいるのかを示します。表へ戻る
各地での月食の見え方について、詳しくは、 暦計算室ウェブサイトの「月食各地予報」をご覧ください。
月食の起こる仕組み
日なたにある人や物に太陽とは反対の方向に影ができるように、地球にも太陽の光による影があり、同じく太陽とは反対の方向に伸びています。地球の影の中を月が通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象が「月食」です。
月食は、太陽-地球-月が一直線に並ぶとき、つまり、満月のときだけに起こります。
しかし、満月のときに必ず月食が起こるわけではありません。それは、地球の軌道に対して月の軌道が傾いているため、満月はほとんどの場合地球の影の北側や南側にそれたところを通り、影の中に入らないためです。

月食が起こる仕組みを説明した動画もご覧ください。
今回の月の通り道
今回の月食での、地球の影の中を移動する月の通り道を示したのが以下の図です。 図の中で、「本影」は、太陽からの直接の光が地球によってすべて遮られた濃い影です。「半影」は、太陽の光が一部は遮られ、一部は到達している薄い影です。(半影の中にある月から太陽を見ると、太陽の一部が地球によって隠されているのが見えるはずです。)

「月食」と言ったとき、ほとんどの場合は月が地球の本影の中に入る「本影食」のことを指します。本影食の前後には、月はしばらくの間半影の中にあります。これを「半影食」と言います。
半影は薄い影のため、肉眼で月を見ても月が暗くなっていることは、なかなかわかりません。しかしよく見ると、本影に近い側がわずかに暗くなっていることに気づくかもしれません。露光を少なめにして写真撮影すると、月が暗くなっているようすがさらにはっきりとわかります。
ただし、日の出前の薄明るい空では観察が難しいでしょう。