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岡本丈典氏が第9回宇宙科学奨励賞を受賞

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授賞式にて。宇宙理学分野で受賞した岡本丈典氏(右)と、宇宙工学分野で受賞した九州大学の安養寺正之氏(左)です。(クレジット:公益財団法人宇宙科学振興会)

国立天文台チリ観測所で研究を行っている岡本丈典 国立天文台フェローが、公益財団法人宇宙科学振興会の第9回宇宙科学奨励賞を受賞しました。業績の題目は、『飛翔体観測による太陽大気波動の研究』です。

太陽の表面は約6000度ですが、その上空には100万度という高温のガス(太陽コロナ)が浮かんでいます。何らかのメカニズムによって太陽表面からエネルギーが運ばれて太陽コロナが加熱されているはずなのですが、そのメカニズムは謎であり、しばしば太陽における最大の謎のひとつといわれています(「コロナ加熱問題」)。

岡本氏は、国立天文台と宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが共同で打ち上げた太陽観測衛星「ひので」を用いて太陽の研究を行っています。岡本氏は、「ひので」の観測データから、太陽表面に磁場に沿った振動現象(アルヴェン波)があることを世界で初めて確認しました。また、「ひので」とアメリカ航空宇宙局(NASA)が打ち上げた太陽観測衛星「IRIS」による観測から、太陽表面から外側に向けてアルヴェン波が伝わることで太陽上空のガスが加熱される現場を捉えることにも成功しました。これらはコロナ加熱問題を解決するための大きなステップであり、こうした功績が高く評価されたことが今回の受賞につながりました。

岡本氏はこうした研究成果をもとに、アルマ望遠鏡を使ってさらにコロナ加熱問題の謎に挑むことにしています。岡本氏は、「アルマ望遠鏡による観測では、太陽表面付近のガスの温度を直接測定することができます。磁気の波による太陽大気の温度変化を具体的に調べることで、コロナ加熱メカニズムの理解がさらに進むと期待しています。」と語っています。

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