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渦巻き模様が伝える星の最期のメッセージ

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アルマ望遠鏡が撮影したペガスス座LL星の周囲に広がる渦巻き状のガス
アルマ望遠鏡が撮影したペガスス座LL星の周囲に広がる渦巻き状のガス オリジナルサイズ(597KB)

台湾中央研究院天文及天文物理研究所のHyosun Kim氏をはじめとする国際研究チームは、アルマ望遠鏡による観測で、年老いた星「ペガスス座LL星」の周囲にガスの渦巻き模様をはっきりと描き出すことに成功しました。

太陽の8倍程度よりも質量の小さい星は、一生の最期に大きく膨らみ、「赤色巨星」と呼ばれる星になります。赤色巨星からは、自らを作っているガスが宇宙空間に放出されています。さらに進化が進むと、「惑星状星雲」になります。惑星状星雲にはさまざまな形のものがありますが、どのようなメカニズムで複雑な形状の星雲が作られるのか、謎も多く残っています。

今回研究グループは、観測されたペガスス座LL星の周囲の渦巻き模様と独自のコンピュータシミュレーションを比較することで、中心の星が非常に細長い楕円軌道を持つ連星系であることを明らかにしました。連星系は、将来の惑星状星雲の形状を決める鍵を握っているとも考えられています。今回の研究は、星の直径の数千倍にまで大きく広がったガスのようすを観測することで、直接観測できない中心部の連星の性質に迫る手法を切り開くものといえます。

この研究成果は、Kim et al. “The Large-Scale Nebular Pattern of a Superwind Binary in an Eccentric Orbit”として、2017年3月に発行される英国の天文学専門誌『ネイチャー・アストロノミー』に掲載されます。

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