TMT主鏡の製作開始~最初の分割鏡ガラス材が完成

超大型望遠鏡TMT(Thirty Meter Telescope)の30メートル主鏡を構成する分割鏡2枚分の素材(鏡材)が出来上がり、表面加工に送られました。これは実際にTMT主鏡に使われる鏡材で、今年度からスタートした量産で初めて製作されたものです。

TMTは直径30メートル主鏡で光を集める望遠鏡ですが、主鏡は492枚の鏡を組み合わせることによって構成します。それぞれの鏡を分割鏡とよんでおり、蒸着(注1)のための交換用82枚と合わせて574枚必要になります。鏡材製作は日本が製作を分担しており、今年度から量産を開始しています(注2)。

鏡材は株式会社オハラで製作されたもので、望遠鏡使用環境で熱膨張率がほとんどゼロとなるガラスセラミックス材「クリアセラム」を使用しています。分割鏡は対角1.44メートル(1辺が72センチメートル)の六角形状であり、その素材となる鏡材は直径1.55メートル、厚さ5.25センチメートルの円形状です。

TMT推進室で主鏡を担当している山下卓也教授は「すでに分割鏡の試作には成功しておりましたが、いよいよ実際に使われる鏡の素材という意味で最初の鏡材が出来上がったのは記念すべきことです」と話しています。

鏡材を製造した株式会社オハラの南川弘行氏は「材料の要求仕様、特性は大変厳しいものですが、仕様を満足するよい鏡材を製造することができました。今後も期待に応えられる鏡材を引き続き製造し、日本の技術力の一翼を担っていきたいと考えています」と語ります。

鏡材は今年度60枚分製作される予定です。製作された鏡材は、これから研削・研磨による表面加工と外形の加工が施されます。

今回出荷されたTMT主鏡材(2枚)。重さは約200キログラムあります。この段階では平板で、これから研削・研磨により表面がTMT主鏡に必要な非球面形状に加工されていきます。(クレジット:国立天文台)

(注1)鏡材の表面を研磨加工したあと、表面に金属膜を蒸着(メッキ)することにより鏡となります。

(注2)表面の研削・研磨加工まで行った試作品は2012年度に製作されています。

TMTとその主鏡については、TMT推進室ウェブサイトをご覧ください。

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