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30m望遠鏡TMT建設に日本が本格的に始動

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30m望遠鏡TMTの建設に向け、日本が本格的に始動することになりました。

TMTは、日本を含む5か国の協力により、ハワイに口径30mの超大型光赤外線望遠鏡を建設する計画です。今年度予算でTMT建設に向けた準備費と建設経費の一部を合わせて12.4億円が措置されました。

林正彦国立天文台長は、「2013年度予算でのTMTプロジェクトへの支援をとても歓迎しています。この予算により世界最先端の望遠鏡の実現にむけ、TMTプロジェクトは今年度大きな一歩を進めることになります」と話しています。

また、TMTは文部科学省が推進している「大規模学術フロンティア促進事業」に新たに加えられました。この事業は、スーパーカミオカンデをはじめとする学術の大規模プロジェクトを戦略的・計画的に推進することを目的としたものです。2013年から、すばる、アルマの両プロジェクトに加えて、TMT計画が新たに追加され、合計8プロジェクトとなりました。

TMT評議員会の副議長を務めるカリフォルニア工科大学のエドワード・ストーン教授は「日本のTMTへの支援は、望遠鏡の鍵となる部分を担うもので、TMT建設にむけた重要なステップとなります」と話しています。

この計画を推進している国立天文台では、今年度、望遠鏡主鏡の製作を開始します。TMTは分割鏡方式の望遠鏡であり、492枚の鏡をあわせて口径30mの主鏡を構成します。これまでの開発・試作を踏まえて、今年度から分割鏡の鏡材の量産および表面加工に取り組みます。

また、日本が分担することが予定されている望遠鏡本体構造の製作にむけて、軽量で丈夫な望遠鏡システムの検討や要素技術の開発・実証を進めます。

2013年4月には、TMT建設に向けハワイ州から建設許可が出され、今後いよいよ詳細な地盤調査などに入ります(注)。国立天文台は着実に望遠鏡建設が進められるよう、計画に取り組んでいきます。

注:TMTは、ハワイ大学を通じて、望遠鏡建設用地としてハワイ州に保護地区利用許可の申請を行っていましたが、さる4月13日、ハワイ州土地天然資源評議会から建設許可が出されました。これは州としての最終的な建設許可にあたるものです。

TMT計画

30m望遠鏡(Thirty Meter Telescope)計画は、可視光・赤外線を観測する口径30mの望遠鏡を米国ハワイ州・マウナケア山頂に建設するプロジェクトです。日本、米国、カナダ、中国、インドの5か国の協力で進められており、2022年度の観測開始をめざし、2014年度からの本格建設にむけた準備が進められています。この望遠鏡により、地球型の太陽系外惑星における生命の兆候の探査や初期宇宙における銀河形成の解明などに挑みます。
口径30mの主鏡は492枚の分割鏡で構成されます。望遠鏡建設は各国の分担で進められ、日本は望遠鏡本体構造の製作、主鏡分割鏡の鏡材製作、分割鏡の一部研磨、観測装置の一部製作などを担当し、建設費(約1500億円)の約4分の1を負担することを国立天文台としては計画しています。

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TMT完成予想図
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TMTの主鏡分割鏡(昨年度日本で製作・研磨された試作品)。分割鏡はゼロ膨張ガラス材でつくられ、対角1.44mの六角形状、厚さは4.5cmです。口径30mの主鏡は全体として放物面に近い非球面であり、それぞれの分割鏡も非球面となります。その表面粗さが可視光の波長の数十分の一になるように研磨されます。写真は実際の鏡の支持機構に搭載されたところです。観測前に表面にメッキが施され、高い反射率の鏡となります。

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