自然科学研究機構 国立天文台

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ガリレオ衛星が「月食」中に謎の発光? すばる望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測

研究成果

東北大学、宇宙科学研究所、国立天文台などの研究者を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測から、ガリレオ衛星(木星の周りを回る4大衛星)が、木星の影に入り太陽光に直接照らされていない「食」の状態にも関わらず、わずか(通常の100万分の1程度)に輝いているという現象を発見しました。

食中にも発光が観測された木星の衛星ガニメデおよびカリストの赤外線画像
食中にも発光が観測された木星の衛星ガニメデ(上段)およびカリスト(下段)の赤外線画像。左はすばる望遠鏡、右はハッブル宇宙望遠鏡の観測で得られたもの。各画像の視野は4秒角四方。黒丸は各衛星の観測時の視直径を示します。

詳しい原因ははっきりとは解明されていませんが、研究チームは、木星の上層大気に存在する「もや」で散乱された太陽光が、ガリレオ衛星を間接的に照らしているのではないか、と考えています。これは、月が地球の影に完全に隠れてしまう皆既月食の時でも月が赤く光るのと似た現象です。

今後この現象を継続的に調べることで、これまで観測が難しかった木星の「もや」の性質に迫れるだけでなく、近年数多く発見されている太陽系外惑星の大気についても新たな知見が得られると期待されます。

木星の上層大気に存在する「もや」によって散乱された太陽光が、影の中にあるガリレオ衛星を照らしている様子の概念図
木星の上層大気に存在する「もや」によって散乱された太陽光が、影の中にあるガリレオ衛星を照らしている様子の概念図(木星とガリレオ衛星の大きさ・距離の比は実際とは異なります)。皆既月食の際でも月がわずかに赤く輝く原理に類似しています。

この研究成果は、2014年7月10日発行の米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』789号に掲載される予定です。
Tsumura et al. 2014, "Near-infrared Brightness of the Galilean Satellites Eclipsed in Jovian Shadow: A New Technique to investigate Jovian Upper Atmosphere"

詳しくは、ガリレオ衛星が「月食」中に謎の発光? すばる望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測(すばる望遠鏡)をご覧ください。

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