大学共同利用機関シンポジウム2026
東京科学大学 大岡山キャンパス
YouTube同時配信
ポール・ゴーギャン 《我々は何処から来たのか、我々とは何者か、我々はどこへ行くのか》 1897年、ボストン美術館所蔵、画像提供:アフロ
学生を含む一般市民層に対して、大学共同利用機関のこれまでの成果と役割を改めて共有し、各機関及び法人の認知度を向上させるために本シンポジウムを開催します。
また、テーマに沿った最新の研究を各機関から紹介することで、学術研究が社会とどのように繋がり、未来を形づくっていくかを体感できる機会を提供し、将来の研究者候補や社会の担い手となる若い世代が関心と可能性を広げる知の最前線に触れ、自らの問いを見つける場となることを目的としています。
13:00-13:05
開会挨拶
川合 眞紀
一般社団法人大学共同利用研究教育アライアンス代表理事/
自然科学研究機構 機構長

13:05-13:10
来賓挨拶 文部科学省(予定)
司会: 小久保 英一郎 国立天文台 教授

我々はなぜ存在しているのか?
-SuperKEKBで紐解く宇宙の歴史

松岡 広大
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 教授
宇宙はどのように始まり、物質はどのように創生され、そしてどのように 進化するのか・・・高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、世界最先端 の加速器を用いた研究を通じてこの究極の謎に迫っています。本講演では、 特にSuperKEKB 加速器を用いたBelle II実験が挑む「物質創生の謎」に焦点を当て、研究の最前線を紹介します。
惑星と生命の誕生
—大型望遠鏡で探る多様性の起源

野村 英子
自然科学研究機構 国立天文台 教授
我々の太陽系や、太陽系外の多様な惑星系は、どのようにしてできたのか?我々の生命の材料となるような物質は、太陽系外の惑星系にも存在しているのか?最近の大型望遠鏡を用いた天文学の進展により、惑星系が形成される現場やそこに存在する物質、また、系外惑星大気の組成も明らかになりつつあり、近未来には、第2の地球の発見が期待されています。本講演では、惑星形成の現場の最新観測にもとづく研究のフロンティアを紹介します。
過去の南極から未来の地球を探る

石輪 健樹
情報・システム研究機構 国立極地研究所 助教
南極氷床は地球表層最大の淡水貯蔵庫であり、その融解による海水準上昇が危惧されています。この海水準上昇は人口が集中する低地帯への浸水など、人類の活動に大きな影響を与えます。そのため、気候変動に対し南極氷床がどのように応答するかを理解する必要があります。現在観測されている南極氷床変動には数年から数万年の時間変化が含まれています。数百年以上の時間スケールの南極氷床変動の復元には、地質学的試料の分析や数値計算によるアプローチが不可欠です。本講演ではこれまでの南極野外調査や南極氷床変動復元の研究成果をご紹介します。
光を集める生物の謎に迫る:
30億年を超える環境適応の果てに

近藤 徹
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 教授
地球環境の形成と生物の変遷を支えてきた根源的な生命現象の一つが、光合成です。本講演では、光合成生物が光を集めるしくみに関する研究を解説するとともに、この研究分野の歩みを振り返り、これまでに解かれてきた謎と今なお残る問いを概観します。 30億年を超える時間の中で、多様な環境への適応を通じて巧妙に最適化されてきた光合成システムのしくみを理解するために、分野の垣根を超えて進められている学際研究の最新の展開をご紹介します。
15:10-15:25
休憩
司会:久留島 典子 総合研究大学院大学 理事・副学長

渡来人とは誰か

高田 貫太
人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 教授
日本列島で暮らす人びとの歴史は、さまざまな地域や社会との交流を通してつちかわれてきました。今回のシンポジウムのテーマにひきつければ、先史・古代史の分野において我々が何者か、どこから来たのか、という問いにせまるテーマのひとつが「渡来人」、すなわち主に朝鮮半島から日本列島に渡り来た人びとの実態です。本発表では古墳時代の渡来人を取りあげ、これまでの学界における語られ方を批判的に紹介しつつ、これからの渡来人研究と現代社会とのかかわりについて考えます。
徳之島の芸能を生きる
——記録映像が映し出す人々の記憶

福岡 正太
人間文化研究機構 国立民族学博物館 教授
私たちは、徳之島28集落の歌や踊りを約10年かけて映像で記録し、国立民族学博物館の「フォーラム型情報ミュージアム」(研究者と研究対象社会との共創プロジェクト)としてコンテンツ化しました。現在は、島の人々を主な対象として公開しています。外部の人間にとってはどれも同じ「徳之島の踊り」に見える映像も、島の人々にとっては、「あの人がいる、特別な歌と踊り」であり、記憶や感情を呼び覚ますものです。島の人々と私たち研究者が対話を重ねることで見いだした記録映像の意味、そして芸能を未来へ伝承する意義について考えます。
量子マルチビームへの期待

近藤 寛
高エネルギー加速器研究機構
PFユーザーアソシエーション(PF-UA)会長/慶應義塾大学 教授
大学共同利用機関で最も多くの研究者に活用されているフォトンファクトリー(放射光実験施設)の歴史を利用者の視点から振り返り、2025年度に利用者と施設スタッフの共同作業により実現した放射光マルチビーム(軟X線と硬X線の同時利用)を紹介するとともに、コミュニティが一丸となって実現を目指している量子マルチビーム(放射光に限らない量子ビームの同時利用)を展望します。
フィジカルAI時代の到来とその先

小林 泰介
情報・システム研究機構 国立情報学研究所 助教
AI技術の発展や基盤モデルの登場によってロボットの研究開発にも大きな変化が生じました。特に、近年では「フィジカルAI」と呼ばれ、人と似た身体構造を持つ「ヒューマノイドロボット」がシミュレーション世界、あるいは人の手本データから様々な運動技能を学習して、我々の社会や家庭に導入される近未来が期待されています。本講演では、そんなフィジカルAIの現状や足りない技術など、我々のグループが推進してきた研究と絡めて紹介します。
17:25-17:30
閉会挨拶
齊藤 直人
大学共同利用機関協議会 会長/素粒子原子核研究所 所長

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人間文化研究機構
人間文化研究機構(NIHU)は、国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、国立国語研究所、国際日本文化研究センター、総合地球環境学研究所および国立民族学博物館の6つの人間文化にかかわる大学共同利用機関によって構成されています。各機関はそれぞれの設立目的を果たしながら基盤研究を進めるとともに、学問的領域を超えて協働し、自然環境等も視野に入れた、人間文化に関する総合的研究拠点を形成しています。また、膨大な文化資源に基づく実証的研究、人文学の総合化を目指す理論的研究および自然科学との連携も含めた新しい研究領域の創成に努め、人間文化に関わる総合的学術研究の国際的拠点を目指しています。
自然科学研究機構
自然科学研究機構(NINS)は、宇宙、エネルギー、物質、生命等に係る大学共同利用機関(国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所)と、直轄の2つのセンター(アストロバイオロジーセンター、生命創成探究センター)を設置・運営し、自然科学分野の国際的研究拠点として、世界を牽引する最先端研究を推進するとともに、全国の大学等の研究者に共同利用・共同研究の場を提供しています。これらの共同利用・共同研究を通じて、参加した大学等と大学共同利用機関の成果が生まれ、大学等の研究力強化と新たな研究分野の創成に貢献しています。
高エネルギー
加速器研究機構
高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、最先端の大型粒子加速器を用いて、素粒子や原子核の研究から原子や分子レベルでの物質の構造や機能の研究、生命体の生命活動の研究まで、幅広い基礎科学の研究を行っています。高エネルギー加速器とは、電子や陽子などの粒子を、ほぼ光の速さまで加速して、高エネルギーの状態を作り出す装置です。この高エネルギー状態から作られる素粒子の世界を研究すると、誕生直後の宇宙の様子を探ることができます。また、加速器が作る光や陽電子、中性子、ミュオンなどの量子ビームは、倍率の高い顕微鏡として、これまでに見ることができなかった物質の構造や、生命活動の研究を行うことができます。
情報・システム研究機構
情報・システム研究機構(ROIS)は、大学共同利用機関である国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所の4つの研究所と、直轄の1施設で構成されています。21世紀の重要な課題である生命、地球、自然環境、人間社会などの複雑な問題を「情報」と「システム」という視点から捉え直し、データサイエンスを推進することにより分野の枠を越えた研究を行い、その解決を目指しています。この度、2016年度に設置した機構直轄施設を「未来科学システム共創施設」へと改称し、新たな研究拠点として再スタートしました。私たちは、多くの研究機関や大学、さらに企業や一般にも設備と情報を公開し、オープンサイエンスの活動を進めることにより、様々な社会課題の解決に挑戦し続けます。
宇宙科学研究所
日本の宇宙科学研究の核でもある宇宙科学研究所。 その宇宙科学研究所を知ることは、日本の宇宙科学を知ることにもなります。 また我々は、一般の人々が宇宙科学に理解と関心を深めていただけるよう、積極的に活動していきます。
総合研究大学院大学
総合研究大学院大学 SOKENDAI は、「大学共同利用機関」と呼ばれる国立研究機関を教育・研究の場とする大学院大学です。大規模な実験施設や先端的な研究設備、貴重な研究資料を備え、第一線の研究者集団を擁する世界トップレベルの研究環境のもと、高度な専門教育と研究指導を行い、次世代を担う博士人材を育成しています。 これまでに、基礎学術のさまざまな分野に、約2,500名の博士人材を輩出しています。
東京科学大学 大岡山キャンパス
ディジタル多目的ホール(西9号館2階)
〒152-0033 東京都目黒区大岡山2-12-1
YouTubeライブで会場の様子を同時配信します。事前申込は不要でどなたでもご覧になれます。
お時間になりましたら、以下のロゴからチャンネルにアクセスし、ライブ配信をご覧ください。
大学共同利用機関協議会 広報ワーキンググループ事務局(国立天文台)
〒181-8588 東京都三鷹市大沢2-21-1 contact-sohmu@dl.nao.ac.jp