メインテーマ「地上をはなれて星を見る」に関連した講演会が開かれます。
内容 | 時間 | |
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特別企画 (ショートトーク) |
月周回衛星「かぐや」 佐々木晶(国立天文台RISE推進室・教授) |
13:00-13:15 |
講演1 | 太陽観測衛星「ひので」が明かす太陽の不思議 常田佐久(国立天文台 ひので科学プロジェクト・教授) |
13:15-14:15 |
休憩 | 14:15-14:30 | |
講演2 | X線天文衛星「すざく」でみる宇宙 大橋隆哉(首都大学東京 大学院理工学研究科 物理学専攻・教授) |
14:30-15:30 |
佐々木晶(国立天文台RISE推進室・教授)
月周回衛星「かぐや」は、日本時間の9月14日10時31分に H-IIA ロケットにより、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 種子島宇宙センターから打ち上げられました。10月からは月周回軌道に入っています。
「かぐや」には、15の観測機器が搭載されています。そのなかで国立天文台では、レーザ高度計と2つの子衛星をJAXA や大学と協力して担当し、月の地形と重力の高精度データを取得します。子衛星のVLBI観測は天文台のVERAを含む国際的な電波望遠鏡のネットワークで行います。地形と重力のデータから、地殻の厚さ、地下の密度異常、コアの密度など、月の起源や進化に関する重要な情報を得ることができます。
13:00-13:15
常田佐久(国立天文台 ひので科学プロジェクト・教授)
太陽表面の温度は6千度ですが、不思議なことにその上空のコロナは、数百万度の超高温です。あたかも、火がついていないコンロの上で、やかんの湯がグツグツ煮えたぎっているような、常識では考えられないことが起きています。この現象は、「コロナの加熱問題」と呼ばれ、なぜ温度の低いものが高いものを暖めているかは、天文学上の大きな謎です。
日本の太陽観測衛星「ひので」は、この問題にチャレンジするために、2006年9月に打ち上げられ、人類が今だ目にしたことのない驚くべき太陽の画像を送り続けています。「ひので」が明らかにしつつある新しい太陽像について、やさしく解説します。
13:15-14:15
大橋隆哉(首都大学東京 大学院理工学研究科 物理学専攻・教授)
X線による宇宙観測は、ブラックホールやダークマターといった、光を出さない天体や物質を調べることができる大事な手段です。2005年7月に日本が打ち上げた「すざく」衛星は、現在も活発に観測を続けています。
その結果を中心に、X線を使うとどうやってこうした特異な天体を探ることができるのかを説明し、また宇宙の構造と進化について何が新たにわかってきたのかを、最新の観測結果を交えながら紹介します。最後にX線天文学の将来についても手短に展望したいと思います。
14:30-15:30