今週の一枚

188cm反射望遠鏡とドーム

188cm反射望遠鏡とドーム

岡山天体物理観測所の188cm反射望遠鏡はイギリスのグラブ・パーソンズ社により製作された光学赤外線望遠鏡です。主鏡の有効径が74インチ(188センチメートル)であることから、通称「ナナヨン(74)」と呼ばれています。1960年に完成しました。

ナナヨンが納められているドームの直径は20メートル、高さは23メートルあり、重量は150トンと、とても大きな建物です。ドームの開口部の幅は6メートル、長さは22メートルあり、この開口部はドームを回転させることによってどの方角にも向けることができます。

イギリス生まれの望遠鏡

188cm反射望遠鏡はイギリスのグラブ・パーソンズ社により製作されました。同社製作の同じ口径の望遠鏡はカナダ、オーストラリア、南アフリカとエジプトにもあります。残念ながら、オーストラリア・ストロムロ山天文台の188cm反射望遠鏡は2003年に起こった山火事により焼失しました。

188cm反射望遠鏡の主鏡の焦点距離は915センチメートルあり、鏡筒は長い8角トラス構造となっています。また、副鏡を交換することにより、ニュートン焦点、カセグレン焦点、クーデ焦点と3つの焦点を使い分けることができます。現在では、主にHIDES-Fiber(ハイデス・ファイバー、High Dispersion Echelle Spectrograph、高分散エシェル分光器)、ISLE(アイル、近赤線外分光撮像装置)やMuSCAT(マスカット、Multi-color Simultaneous Camera for studying Atmospheres of Transiting exoplanets、多色撮像装置)などの観測装置をカセグレン焦点に取り付けて観測を行っています。

文:戸田博之(岡山天体物理観測所)

画像データ

撮影年月2017年2月
撮影者飯島裕
クレジット飯島裕

関連リンク