今週の一枚

天空のリング

天空のリング

2012年5月21日。自宅で、学校で、職場で、通勤途中の路上で――日本中で多くの人が朝の空を見上げました。この日は全国で部分日食が、そして太平洋側を中心とした広い範囲で金環日食が見られました。月に隠され欠けていく太陽を、月と太陽が織りなす天空に光るリングを、一目見ようと日本中が沸き立ちました。この日、雲一つない晴天に恵まれた観測地で、国立天文台の観測チームは、食の始めから金環日食そして食の終わりに至るまでの一部始終を捉えることに成功しました。

2012年5月21日は、日本全国で部分日食が見られたほか、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、中部地方南部、関東地方などの広い範囲で、太陽がリング状になる金環日食が見られました。 長野県松本市で観測を行った国立天文台の観測チームは、金環日食となる瞬間や食の最大時の太陽の撮影に成功したほか、日食の始まりから終わりまでのおよそ3時間におよぶ連続撮影に成功し、日食の一部始終を周囲の風景と共に捉えたこの画像を作り上げました。

(文:小野智子(国立天文台天文情報センター))