すばる望遠鏡 Hyper Suprime-Cam が描き出した最初のダークマター地図

国立天文台、東京大学などの研究者からなる研究チームは、すばる望遠鏡に2012年に新しく搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)を用いて、「ダークマター」の分布の広域探査を進めています。

今回研究チームは、HSCでの観測初期に取得されたデータを用いた解析から、2.3平方度にわたる天域におけるダークマターの分布を明らかにし、銀河団規模のダークマターの集中がこの天域に9つ存在することを突き止めました。これは現在の宇宙モデルに基づく予測よりも多いものですが、たまたま宇宙の平均よりダークマターが密集した天域を観測した結果なのか、或いは過去においてダークエネルギーが期待されていたほど存在せず、緩やかな宇宙膨張のなかで天体形成が早く進行した結果なのかは、明らかになっていません。よって、この解明には、今後のより広い天域での観測結果を待つことになります。

研究チームは、最終的には観測天域を1000平方度以上に広げ、ダークマターの分布とその時間変化から宇宙膨張の歴史を精密に計測する、という課題に取り組みます。

すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Camが映し出した無数の銀河と、重力レンズ解析で得られたダークマターの分布図。(クレジット:国立天文台/HSC Project)
Hyper Suprime-Cam で観測された天体画像の一部(大きさ14分角×8.5分角)と、解析で得られたダークマター分布図(等高線)。オリジナルサイズ(6.4MB)

この研究成果は HSC による最初の科学的成果で、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』2015年7月1日号に掲載予定です(Miyazaki et al. 2015, ApJ 807, 22, "Properties of Weak Lensing Clusters Detected on Hyper Suprime-Cam 2.3 Square Degree Field")。

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