2種類のガス流が織り成す連星系周辺の複雑な構造

多くの恒星が集団で生まれ、連星系として存在することが知られています。連星系の若い時代を調べることは、星・惑星誕生の過程を理解するために重要です。円盤を伴っている若い単一星からは、「アウトフロー」と呼ばれる外向きのガスの流れが多く見つかっています。しかし、若い連星系からのアウトフローは観測例が少なく、未解明な点が多く残されています。

そこで、国立天文台などの国際研究チームは、すばる望遠鏡とジェミニ望遠鏡の時間交換枠を通じ、ぎょしゃ座の方向、約450光年先にある若い連星系ぎょしゃ座UY星のアウトフローの構造を調べました。すると、我々から遠ざかる方向に運動(赤方偏移)しているガスと、近づく方向に運動(青方偏移)しているガスの分布に違いがあることが分かりました。この分布の違いは、主星から幅広く吹き出すアウトフローが出ているだけでなく、伴星からも細いジェットが出ていることで説明ができると研究チームは考えています。

青方偏移ガス(左)と赤方偏移ガス(右)の分布の模式図
青方偏移ガス(左)と赤方偏移ガス(右)の分布の模式図。上側の主星は両極方向に広がったガス流を吹き出しながら、赤方偏移側にジェットも出しています。下側の伴星からは青方偏移した細いジェットが主星側に吹き出しています。

連星系のアウトフローやジェットは、一つしか見えなかったり二つ見えたりと、天体ごとに個性があります。今回ぎょしゃ座UY星で観測されたような構造がどのくらい普遍的なのかを調べるためには、より多くの連星系を高い解像度で観測する必要があります。研究チームは今後、円盤どうしをつなぐガス流などの構造を調べるための研究も進める予定です。

この研究成果は、2014年5月1日に発行された米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』誌に掲載されました。
Pyo et al. 2014, "[Fe II] Emissions Associated with the Young Interacting Binary UY Aurigae", The Astrophysical Journal, Volume 786, 63

詳しくは、2種類のガス流が織り成す連星系周辺の複雑な構造(すばる望遠鏡)をご覧ください。

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