若い星のまわりのスノーラインを直接撮像

アメリカの研究者を中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡を用い、世界で初めて若い星の周りのガス円盤(つまり、形成期の太陽系)にある「スノーライン」を直接、画像としてとらえることに成功しました。この氷の境界線は惑星形成や分子の形成にとても重要な役割を果たすと考えてられています。

地球では、海抜高度が高くなり、温度が下がって、大気の水分が凍ってしまう境界がスノーラインとなります。惑星系形成領域のスノーラインは、自ら輝く中心星から遠くなり、温度が下がって、星の周りのガスなどが凍りはじめる境界線のことです。分子によって凍る温度は異なるので、惑星系形成領域で分子ごとのスノーラインの違いを調べることは大変重要です。この違いによって、惑星がどのように形成するか、また何が惑星の化学組成を変えているかを知る手がかりが得られるからです。

研究チームはアルマ望遠鏡による観測で、若い星であるうみへび座TW星のまわりに一酸化炭素のスノーラインを直接撮像することに初めて成功しました。この惑星系形成領域において、中心星と一酸化炭素のスノーラインの距離は、太陽から海王星の軌道間の距離(約30天文単位)程度であることがわかりました。うみへび座TW星まわりの惑星系形成領域は、私たちの太陽系の誕生から数百万年後の状態とよく似ていると信じられています。すなわち、今回の観測結果は、太陽系形成を理解するために、とても重要な成果と言えます。さらに、今回の結果は生命関連分子の起源を探る上でも重要です。宇宙空間では、生命の元となる有機分子の材料としてメタノールが不可欠です。凍った一酸化炭素はメタノールの生成に欠かせないからです。

うみへび座TW星まわりのN2H+分子の分布
N2H+分子は、気体の一酸化炭素と化学反応しやすいため、気体の一酸化炭素が多いところでは存在できない。N2H+分子からの電波が観測されるということは、そこでは一酸化炭素が凍り付いていることを示す。

この研究成果は、2013年7月18日発行のScience Expressに掲載されました。
Imaging of the CO Snow Line in a Solar Nebula Analog

詳しくは、若い星のまわりのスノーラインを直接撮像(アルマ望遠鏡)をご覧ください。

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