自然科学研究機構 国立天文台

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電波干渉計が超巨大ブラックホールに肉薄

研究成果

国立天文台水沢VLBI観測所の本間 希樹(ほんま まれき)准教授、小山 友明(おやま ともあき)専門研究職員を含む日米欧等の国際共同チームは、おとめ座の銀河M87の超巨大ブラックホールから出るジェットの根元の大きさの測定に初めて成功しました。測定の結果、ジェットの根元のサイズは予想されるブラックホール半径の5.5倍であることがわかりました。さらに、ジェットの根元の大きさは、回転しているブラックホールの場合に予想されるジェットの根元の大きさと一致していました。このことは、ジェットの形成・放出にブラックホールの回転が関わっている可能性を示しています。

観測は、国際共同チーム「Event Horizon Telescope プロジェクト」が米国のハワイ、アリゾナ、カリフォルニアの3か所にある電波望遠鏡群を用いて行いました。VLBIという観測手法を用い、M87の中心部に埋もれたブラックホールを約60マイクロ秒角(約6000万分の1度)という超高分解能で観測しました。本研究成果は、ブラックホール半径の数倍~5倍程度というブラックホールに非常に近い領域を観測した画期的なものです。研究チームでは、今後ALMAなどの望遠鏡を追加して観測網をさらに拡張することで、ブラックホールそのものの電波写真が得られると期待しています。

この成果は、米国の科学雑誌Science誌に受理され、2012年9月27日にScience Expressでオンライン発行されました。

超巨大ブラックホールから出るジェットの想像図。今回の観測は、ブラックホールのごく近くでジェットの根元の大きさを初めてとらえたもので、その大きさがブラックホール半径の5.5倍と求められました。また観測されたジェットの根元とブラックホールとの距離は、ブラックホール半径の2倍~数倍程度と考えられています。

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