すばる望遠鏡、ウルトラ赤外線銀河の謎を解明 - かすかな星の分布の様子が多重合体の証拠となった -

愛媛大学宇宙進化研究センターの谷口義明センター長を中心とした研究チームは、すばる望遠鏡を用いた観測により、ウルトラ赤外線銀河(太陽の1兆倍ものエネルギーを赤外線で放射している銀河)の代表格であるアープ220が、4個以上の銀河の多重合体である動かぬ証拠を発見しました。ウルトラ赤外線銀河は激しい星生成活動の後、巨大ブラックホールをエネルギー源として非常に明るい放射をするクエーサーと呼ばれる天体に進化すると考えられています。

これまでは,単純に2個の銀河が合体することでウルトラ赤外線銀河が形成されたと考えられていました。ところが、宇宙には銀河数個が群れている銀河群が多数あります。今回の発見は、1つの銀河群に含まれる全ての銀河が合体し、ウルトラ赤外線銀河に進化したことを示しています。

今回の研究成果は宇宙における多様な銀河進化の新たな一面を明らかにしたものであり、ウルトラ赤外線銀河の成因に新たな知見を与えるものと期待されます。

本研究成果は、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に受理され、掲載が予定されています。

アープ220の可視光写真(R バンド)
アープ220の可視光写真(R バンド)。左はハッブル宇宙望遠鏡のACSカメラで撮影された画像で、右は研究チームがすばる望遠鏡の主焦点カメラSuprime-Camで撮影した画像です。すばる望遠鏡で撮影した画像を見ると、アープ220の周辺に淡い構造が拡がっていることがわかります。この構造は合体の際の潮汐効果で生じたものです。
(クレジット:愛媛大学/国立天文台)

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