自然科学研究機構 国立天文台

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枯木立の奥に去りゆく冬の星座、立春の候

星景写真・

枯木立の奥に去りゆく冬の星座、立春の候

夜が更けて、人の気配の無い国立天文台三鷹キャンパスはとても静かです。往年はアインシュタインの謎に挑んで太陽の光を受け止めていた太陽塔望遠鏡も、今は深い眠りについています。豊かな草木が繁茂する三鷹キャンパスは、夏には鬱蒼(うっそう)として外界の気配を感じにくいですが、木々の梢から葉が落ちた冬枯れの季節になると、木の間を通した見晴らしから国分寺崖線上の高台に位置していることに気づきます。光の広がる市街で眠る人々の上に、冬の星が降るように傾いていきます。

冬から春へ、時の移ろいを示す星々

中央でひときわ明るい軌跡を描いているのは、木星。約12年で星座の中を移動する明るい惑星を、古代中国の暦では年を数えるのに用いました。今に伝わる十二支です。この年、木星はおうし座を移動していました。木星のすぐ左側に並ぶ星は、牛の瞳に輝く1等星アルデバランです。画面の左側、南西の空に明るく青白い軌跡を描くのは、おおいぬ座のシリウス。太陽系最大の惑星と、全天で最も明るい恒星に挟まれては、さしものオリオン座も控えめのたたずまいで木の枝をぬって沈んでいきます。 季節は立春の候、太陰太陽暦では新年、春の初めとされました。空気はまだ身を切るように冷たいですが、冬の星座は西に傾き、夜空は時の移ろいを確かに物語っています。

文:内藤誠一郎(天文情報センター)

画像データ

カメラオリンパス OM-D E-M5
撮影日時2013年2月5日
撮影者飯島裕
クレジット国立天文台

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