1887年(明治20年)8月19日には、新潟県、福島県、栃木県、茨城県の一部を皆既帯が通過し、皆既日食が観測されました。
この年、政府は「官報第1231号」(1887年8月5日発行)において、「白光写図心得」(実際には「写図」は旧字体)という項目を設け、皆既日食の見られる地域の役所や学校などに向けて、皆既日食中に観察される「コロナ(白光)」のスケッチによる観測を促しました。そして各地で実際にスケッチ観測が行われました。
このスケッチは、所在地の郡役所から県知事、文部省を経て東京大学理科大学に集められ、最終的に東京天文台に渡りました。その後は「明治20年(1887年)8月19日の皆既日食観測記録」として製本され、現在は国立天文台三鷹図書室の貴重資料の「斎藤国治文庫」として保存されています。
これらは、専門家による観測ではなく、一般市民が皆既日食の観測を行った記録であり、歴史的に貴重な資料です。本ページでは、その中から2枚のスケッチを掲載し紹介いたします。
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※本資料(複製)の天文台歴史館(大赤道儀室)における公開は、2009年8月2日(日)にて終了しました。
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複数名の観測者が列記してあるスケッチ。
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「浦上知太郎」と記載のあるスケッチ。
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本資料に関して、天文情報センター アーカイブ室が調査し発行したアーカイブ室新聞です。ファイルはPDF形式です。
本資料は、国立天文台三鷹図書室が所蔵している貴重資料「斎藤国治文庫」の中に納められています。
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