アストロ・トピックス

No.479: 板垣さん、NGC 7678 銀河に超新星を発見

 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、6月8日 (世界時、以
下同じ) の観測から、16.2等の超新星を発見しました。この超新星は、ペガス
ス座方向にある NGC 7678 銀河の中にあり、板垣さんご自身所有の口径60セン
チメートル反射望遠鏡 (f/5.7) を用いたCCD観測 (限界等級19.0等) により撮
影された画像から発見されました。
 この発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報
中央局に報告され、この超新星は「2009ga」と命名されました。
 この天体の発見日時、位置、発見等級は次の通り。
発見日時 2009年6月8.718日 = 6月8日17時14分 (世界時)
赤経 23時 28分 26.78秒
赤緯 +22度 24分 50.4秒 (2000年分点)
発見等級 16.2等
 この超新星は NGC 7678 銀河の中心から西に15秒角、南に26秒角離れた位置
にあります。  板垣さんは、以前にもこの場所を観測していましたが、その
ときの画像 (限界等級は19.0-19.5等) にはこの天体は写っていませんでし
た。またDSS (注) の画像にも、この天体は写っていませんでした。ただし、
この超新星は現在明け方の東の空にあるため、超新星発見直前にこの場所を観
測した画像はありません。
 この銀河には、これまでにも、1997年に超新星 1997dc が、2002年には超新
星 2002dp が発見されています。
 板垣さんは、6月1日に超新星 2009fu を発見したばかりです。板垣さんによ
る超新星発見は、今年に入って4個目で、また今回の発見を含めた超新星の通
算発見数は48個 (独立発見を含む) となりました。日本人アマチュア天文家に
よる超新星発見個数の最多記録をさらに更新中です。
 
注:DSS (Digitized Sky Survey) は、米国にあるパロマー天文台のサミュエ
ル・オシン・シュミット望遠鏡と、オーストラリアにあるアングロ・オースト
ラリア天文台の英国シュミット望遠鏡を用いて、全天を撮影し、デジタル化し
たもの。限界等級の値は天域によって変わるが、平均的には20等級前後の天体
まで写っている。
 
参照:
 CBET No. 1839 : SUPERNOVA 2009ga IN NGC 7678 (2009 Jun 10)
 IAUC No. 6715 : SUPERNOVA 1997dc IN NGC 7678 (1997 Aug 9)
 IAUC No. 7924 : SUPERNOVA 2002dp IN NGC 7678 (2002 Jun 19)
 国立天文台 アストロ・トピックス (477)
  板垣さん、NGC 846 銀河に超新星を発見
   http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000477.html
 日本人が発見した超新星一覧 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html
 
      2009年6月11日            国立天文台・広報室