アストロ・トピックス
No.474: ALMAで干渉計実験に成功
4月30日、チリ北部に建設中の大型電波望遠鏡プロジェクトALMA (Atacama Large Millimeter/submillimeter Array) は、天体からの電波を2つのアンテ ナを結合させて受信し、干渉計としての性能を確認する重要なマイルストーン を達成しました。 標高2900メートルの山麓施設 (OSF) において、日本と北米がそれぞれ製作 した直径12メートルのアンテナ2台を結合させて、火星からの電波を受信し、 干渉縞 (フリンジ) を確認することができました (専門用語で「ファースト・ フリンジ」と呼びます)。これは、アンテナおよび関連するハードウェアが 「 干渉計」として働くことを確認できたことを意味します。 「ファースト・フリンジを達成したことにより、アンテナおよび関連する様 々なハードウェアが統合されたシステムとして働くことを証明できた。これ は、国際連携による強みであり、ALMA観測所がまた一歩前進した」とALMA観測 所長である Thijs de Graauw 氏は語っていました。 今回は標高2900メートルでのアンテナ2台の干渉計としてのテストでした が、最終的には地球上で最も天体観測に適した標高5000メートルのALMA山頂施 設に設置され、世界最高性能の電波望遠鏡として宇宙の謎の解明に挑みます。 参照: 国立天文台 ALMA Home Page http://www.nro.nao.ac.jp/alma/J/ ESO - Atacama Large Millimeter/submillimeter Array (ESO) (英語) http://www.eso.org/sci/facilities/alma/ 2009年5月26日 国立天文台・広報室