アストロ・トピックス

No.392: 板垣さん、NGC 1343 銀河に超新星を発見

 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、7月1日と2日 (世界
時、以下同じ) の観測から、18.2等の超新星を発見しました。この超新星は、
カシオペヤ座方向にある NGC 1343 銀河の中にあり、板垣さんご自身が所有す
る口径60センチメートルの反射望遠鏡 (f/5.7) を用いたCCD観測により撮影さ
れた画像の中から発見されました。
 この発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報
中央局に報告され、この超新星は「2008dv」と命名されました。
 この天体の発見日時、位置、発見等級は次の通り。
発見日時 2008年7月1.73日前後 = 7月1日17時30分前後 (世界時)
赤経 3時 37分 51.43秒
赤緯 +72度 34分 21.8秒 (2000年分点)
発見等級 18.2等
 この超新星は NGC 1343 銀河の中心から東に8秒角、北に5秒角離れた位置に
あります。  板垣さんが以前この場所を撮影した画像 (限界等級は20.5等) 
やDSS (注) の画像には、この超新星は写っていませんでした。  スペクトル
観測や光度変化の追跡など、今後の詳しい観測が待たれます。
 板垣さんによる超新星発見は、今年に入ってからこれで5個目となりまし
た。今回の超新星発見を含め、板垣さんの超新星の発見数は通算39個 (独立発
見を含む) となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録
をさらに更新中です。
 
注:DSS (Digitized Sky Survey)は、米国にあるパロマー天文台のサミュエ
ル・オシン・シュミット望遠鏡と、オーストラリアにあるアングロ・オースト
ラリア天文台の英国シュミット望遠鏡を用いて、全天を撮影し、デジタル化し
たもの。限界等級の値は天域によって変わるが、平均的には20等級前後の天体
まで写っている。
 
参照:
 CBET No. 1425 : SUPERNOVA 2008dv IN NGC 1343 (2008 Jul 2)
 日本人が発見した超新星一覧 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html
 
      2008年7月3日            国立天文台・広報室