アストロ・トピックス

No.381: 国立天文台、土星のライブ映像をネット配信

 土星は、小望遠鏡でも見ることができる美しい環を持つ惑星です。環の傾き
は約15年周期で変化していますが、現在、土星の環の傾きはたいへん小さく
なっており、2009年には、環が全く見えなくなる時期が訪れます。今年の土星
はこれから太陽の方向に近づいて見づらくなっていき、明け方の空に再び姿を
表すのは9月末以降となりますので、日の入り後の観察しやすい位置にある今
のうちに、環を観察しておきたいものです。
 国立天文台では、このように環の傾きが小さくなった土星の姿を多くの皆
さんにご覧いただくため、次の日程で、望遠鏡を使った映像のインターネット
中継をおこなうことにしました。
 
 中継日:5月12日 (月) および 5月13日 (火) の2日間
 中継時間:両日とも19:30より21:30まで (予定:天候などにより変更あり)
 使用望遠鏡:三鷹キャンパス 社会教育用公開望遠鏡
        (50センチメートル反射望遠鏡)
 中継ページ:http://www.nao.ac.jp/phenomena/20080512/
 
 中継では、生解説を交えながら、同時に見える月や火星の様子とともに、土
星の映像をお送りする予定です。
 土星・火星・月だけでなく、普段はなかなか見ることのできない水星もこの
ころ見やすい時期を迎えるため、国立天文台では、土星中継に加えて、5月10
日の夜から18日の夜にかけて「見てみよう!春の夜空の月・惑星」キャン
ペーンをおこないます。  解説ページでは、月の動きや水星の観察、天体を
デジタルカメラで撮影する方法などを紹介しています。観察された感想などを
お待ちしておりますので、お気軽にご参加ください。
 また、国立天文台が日本望遠鏡工業会とともに昨年から展開してきた「惑星
ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンの終了が、5月31日にせまってきました。ま
だ見ていない惑星が残っている方は、ぜひお急ぎください。  なお残念なが
らこの時期、金星は太陽に近い方向にあるため、観察が困難です。しかし、こ
れからこのキャンペーンに参加する方向けに、金星を見ることができない場合
の特別ルールを設けました。詳しくは「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーン
の「お問い合わせ」ページをご覧ください。
 これまで参加のきっかけがなかった皆さんも、この機会に惑星を観察し、
キャンペーンの認定証を手になさってください。
 
参照:
 「天体中継 ~土星編~」
  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20080512/
 「見てみよう!春の夜空の月・惑星」キャンペーン
  パソコン用ページ
   http://www.nao.ac.jp/phenomena/20080510/
  携帯電話用ページ
   http://www.nao.ac.jp/i/phenomena/20080510/
 「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーン
  http://www.eight-planets.net/
 
      2008年4月30日            国立天文台・広報室