自然科学研究機構 国立天文台

No.353: 市村さん、NGC 4617 銀河に超新星を発見

 埼玉県比企郡の市村義美 (いちむらよしみ) さんは、12月20日 (世界時、以
下同じ) の観測から、16.6等の超新星を発見しました。この超新星は、りょう
けん座方向にある NGC 4617 銀河の中にあり、口径28センチメートルのシュ
ミット・カセグレン式反射望遠鏡 (f/8) を用いたCCD観測により撮影された2
枚の画像 (限界等級18.0等) の中から発見されました。
 この発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報
中央局に報告され、超新星は「2007ss」と命名されました。
 発見日時、位置、発見等級は次の通り。
発見日時 2007年12月20.78日 = 12月20日18時43分 (世界時)
赤経 12時 41分 06.07秒
赤緯 +50度 23分 28.7秒 (2000年分点)
発見等級 16.6等
 この超新星は NGC 4617 銀河の中心から、東に2.6秒角、南に7.9秒角離れた
位置にあります。市村さんは、2年前にも同じ場所を観測していましたが、そ
のときの画像にはこの天体は写っていませんでした。また、中野さんは、DSS(
注1) にもこの天体が存在してないことを付け加えています。
 山形県の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、ご自身が撮影した12月21日
の画像にも、この超新星が15.5等で写っていることを確認しています。また、
美星天文台 (岡山県井原市) で12月23日、101センチメートル反射望遠鏡を
使ったこの超新星の低分散分光観測を行った結果、スペクトル線に現れる吸収
線の特徴が Ia 型を示していることから、核爆発に起因する超新星爆発である
と考えることができます。
 アマチュア天文家の市村さんは、1987年に彗星 C/1987 W1 (Ichimura) を発
見し、2005年12月にはさんかく座方向にある IC 221 銀河に超新星「2005lx」
を発見しています。今回の超新星の発見はこれに続く快挙となります。因みに
この NGC 4617 銀河では、2005年2月に板垣さんが超新星「2005ab」を発見し
ています。
 これで今年に入り、日本人による超新星の発見数 (注2) は10個となりまし
た。
 注1:DSS (Digitized Sky Survey) は、米国にあるパロマー天文台のサミュ
エル・オシン・シュミット望遠鏡と、オーストラリアにあるアングロ・オース
トラリア天文台の英国シュミット望遠鏡を用いて、全天を撮影し、デジタル化
したもの。限界等級の値は天域によって変わるが、平均的には20等級前後の天
体まで写っている。
 注2:日本人が含まれるプロジェクトの観測による発見を除く数。
 
参照:
 CBET No. 1175 : SUPERNOVA 2007ss IN NGC 4617 (Dec 21)
 CBET No. 1179 : SUPERNOVA 2007ss IN NGC 4617 (Dec 24)

 国立天文台 アストロ・トピックス (171)
  市村さん、さんかく座の銀河に超新星を発見
   http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000171.html

 日本人が発見した超新星一覧 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html
 
      2007年12月25日            国立天文台・広報室

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