自然科学研究機構 国立天文台

No.351: 国立天文台、接近中の火星のライブ映像をネット配信

 今月、およそ2年ぶりに火星が地球に接近します。日本望遠鏡工業会ととも
に「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンを展開している国立天文台では、こ
の接近中の火星を望遠鏡でビデオ撮影し、その映像をインターネットを通じて
ライブ中継することにしました。
 火星は、約2年2カ月ごとに地球に接近します。今回最も接近するのは12月19
日8時46分 (日本時) で、このときの距離は地球から 0.5893天文単位 (8817万
キロメートル) です。これは、2003年8月27日の大接近時の距離と比較すると
約1.6倍あり、接近とはいえ少々遠めの距離となります。しかし、12月25日に
は衝 (しょう:注1) となり、ほぼ一晩中夜空に見える観測好期であることに
は変わりありません。
 そこで、この接近中の火星について、多くのみなさんに望遠鏡で見た様子を
お伝えしようと、次の日程でインターネット中継を行うことにしました。
中継日:12月24日 (月) および 12月25日 (火) の2日間
中継時間:19:00より21:00まで
      (予定:天候などによって若干変更する場合があります)
使用望遠鏡:社会教育用公開望遠鏡 (50センチメートル反射望遠鏡)
中継ページ:http://www.nao.ac.jp/phenomena/20071224/
 火星は地球と同じような岩石質の惑星です。火星の岩石や砂は、酸化鉄 (赤
さび) を多く含んでいるため、望遠鏡で見ると火星表面が全体的に赤っぽく、
黄色からオレンジ色に見えます。また、岩石の成分の違いや地形の影響によ
り、地表には黒っぽい模様が見られます。さらに火星の季節によって、北極や
南極には、氷やドライアイス (二酸化炭素が氷ったもの) でできた白い極冠 (
きょくかん) という模様も見られます。
 残念ながら現在は、冬の季節風や、上空のジェット気流といった地球上の大
気の激しい流れを通して火星を見ることになるため、望遠鏡で拡大したときに
は、まるで川底の石を見ているように火星面がゆらいでしまうことが多いで
す。このため、中継でこれらの細かい模様がどこまで見えるかは、当日になら
ないとわかりません。しかし、望遠鏡で覗いた生の火星の姿に近い映像を、み
なさまにご覧いただこうと思っています。また中継時には、生解説を何度か交
えながら、映像をお送りする予定にしております。詳しいスケジュールは、中
継のページをご参照ください。
 当日の空では、12月24日に満月となる月が火星のそばに位置しています。中
継では月面の様子も合わせてご覧いただく予定にしております。合わせてお楽
しみください。
 なお、火星は望遠鏡を使わなくても、約マイナス1.6等という明るさで夜空
に輝いています。肉眼でもその存在を簡単に確認できますので、中継映像だけ
ではなく、実際の夜空で火星をぜひさがしてみてください。そして「惑星ぜん
ぶ見ようよ☆」キャンペーンにもぜひご参加ください。
 注1:太陽-地球-惑星がほぼ一直線に並ぶこと。地球から見て惑星が太陽
の反対側となるため、ほぼ一晩中観察できる。
 
参照:
 「天体中継~火星編~」のページ
  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20071224/

 「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンページ
  http://www.eight-planets.net/

 国立天文台アストロ・トピックス (310)
  惑星ぜんぶ見ようよ☆キャンペーン
  http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000310.html
 
      2007年12月18日            国立天文台・広報室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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