アストロ・トピックス

No.336: 国立天文台、木星のライブ映像をネット配信

 現在、夕方の空で明るく輝いて見えている木星が、今年の観察シーズンの終
盤を迎えています。日本望遠鏡工業会とともに「惑星ぜんぶ見ようよ☆」
キャンペーンを展開している国立天文台では、この木星面を望遠鏡で撮影した
ビデオ映像をインターネットを通じてライブ中継することにしました。
 木星は12月23日に合 (ごう:注1) となり、見かけの位置が太陽と近くなる
ため、11月から来年の1月にかけて約3カ月間観察できなくなります。来年2月
頃になれば、明け方の東の空で観察できるようになりますが、夕方から夜の観
察しやすい時間帯に見るためには5月以降まで待たなければなりません。そこ
で、夕方に見ることができる10月のこの時期に、多くのみなさんに木星に注目
してもらおうと、次の日程でインターネット中継を行うことにしました。
中継日:10月9日 (火) および10月10日 (水) の2日間
中継時間:17:30-18:45 (予定:天候などによって若干変更する場合がありま
す)
使用望遠鏡:社会教育用公開望遠鏡 (50cm反射望遠鏡)
中継ページ:http://www.nao.ac.jp/phenomena/20071009/
 木星は、主成分がガス物質の巨大ガス惑星です。表面に見える模様は、アン
モニアやメタンといった物質からなる雲でできており、模様が比較的変化しま
す。今年は、16年ぶりに南赤道縞が淡化 (注2) したり、14年ぶりに南赤道縞
攪乱(かくらん:注3) が起こったりするなど注目される現象が相次いで見ら
れ、木星面の模様が激しく変化した年でした。中継では、これらの現象を表す
細かい模様までは確認できそうにありませんが、現在の木星面に見られる縞模
様の様子などをお伝えできることでしょう。また大赤斑 (だいせきはん) と呼
ばれる台風のような模様も見られるかもしれません。みなさま、ぜひご覧くだ
さい。
 また木星は現在、一番星として見られるなど、肉眼でもその存在を簡単に確
認できる明るい惑星です。中継映像だけではなく、実際の夜空で木星をさがし
て「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンにも参加してみてはいかがでしょう
か。
 
 注1:地球-太陽-木星がほぼ一直線に並ぶこと。

 注2:本来暗い部分である南赤道縞が、淡く白っぽくなる現象。

 注3:淡化した南赤道縞に黒い模様が出現して、再び縞が濃く暗くなる現
象。
 
参照:
 「天体中継~木星編~」のページ
  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20071009/

 「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンページ
  http://www.eight-planets.net/

 国立天文台アストロ・トピックス (310)
  惑星ぜんぶ見ようよ☆キャンペーン
  http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000310.html
 
      2007年10月3日            国立天文台・広報室