アストロ・トピックス
No.322: どんな色になるかご注目! 8月28日は皆既月食
8月28日の夕方から夜にかけて、全国で皆既月食が見られます。地球の影の 中に月がすっぽりと入ってしまうこの現象が全国で見られるのは、2001年1月 以来6年ぶりのことです。夕刻から夜という観察しやすい時間帯に起こります ので、ぜひ観察してみませんか。 月食は、太陽-地球-月が一直線に並んで、月が地球の影に入ることで暗く なり、まるで月が欠けてしまったかのように見える現象です。月の一部だけが 地球の影 (本影) に入ると、部分食 (部分月食) となります。今回はさらに月 が全部影に入ってしまう皆既食 (皆既月食) が見られます。 今回の月食の経過は次のとおりです。 月食の始め :17時50.9分 (※月が地平線の下で観察できない) 皆既食の始め :18時52.0分 食の最大 :19時37.4分 皆既食の終わり:20時22.7分 月食の終わり :21時23.8分 月食の始めは、日本のほとんどの地域で月が地平線の下にあり見られませ ん。つまり月は、月食が始まった状態 (月が欠けた状態) で地平線から昇って きます。月食の経過は日本全国どこでもほとんど同じ時刻ですが、月の出の時 刻は観察する場所によって大きく異なり、東京では18時11分となります。 各地の月の出の時刻は、国立天文台暦計算室の月食各地予報のページで確認 することができます。 なお、月が地球の影に完全に隠れて皆既月食となっても、一般的に月は真っ 黒になりません。地球の大気がレンズのような役割をし、太陽光を屈折させほ んのわずか影の中側に曲げるからです。この時、青い光は大気中のチリ (塵) などで散乱してしまいますが、赤い光は散乱しづらいため、影の中に入り込み 皆既月食中の月面を赤黒く照らします。 しかし、皆既中の色はいつも同じではなく、月食の度に変わります。大気中 にチリが少ないと明るいオレンジ色に、逆にチリが多いと黒っぽくなります。 今回、国立天文台では、より多くの方にこの皆既月食という現象を観察して いただくために、「皆既月食どんな色?」という市民参加型のキャンペーンを 行います。月食をただ眺めるのではなく、皆既月食中の月がいったいどんな色 に見えるのかにも注目して観察し、キャンペーンページから報告してくださ い。携帯電話からも報告できますので、ぜひお気軽にご参加ください。 皆既月食は特別な道具がなくても、肉眼で楽しめる現象です。また色鉛筆や クレヨン等でスケッチをとるのもよい記録になることでしょう (スケッチ用紙 はキャンペーンページからダウンロードできます)。 はたして今回の皆既月食、どのような色に見えるでしょうか。注目しながら 観察してみてはいかがでしょうか。 参照: 皆既月食解説ページ (「皆既月食どんな色?」キャンペーン) パソコン用ページ http://www.nao.ac.jp/phenomena/20070828/ 携帯電話用ページ http://www.nao.ac.jp/i/phenomena/20070828/ 月食各地予報 (国立天文台 暦計算室) http://www.nao.ac.jp/koyomi/koyomix/eclipsex_l.html 2007年8月14日 国立天文台・広報室