アストロ・トピックス

No.321: 安部さん、こぎつね座に新星らしき天体を発見

 島根県松江市の安部裕史 (あべひろし) さんが、8月8日 (世界時、以下
同) 、デジタルカメラを用いて撮影した画像から、こぎつね座に9.5等の新星
らしき天体を発見しました。この発見は中野主一 (なかのしゅいち) さんを通
じて国際天文学連合に報告されました。
 安部さんによって発見された新天体の発見日時と等級です。
発見日時: 2007年8月8日13時頃
等級: 9.5等
 埼玉県の門田健一 (かどたけんいち) さんが、ご自身で撮影した画像から測
定したこの天体の位置は、次のとおりです。
赤経  19時54分24.64秒
赤緯 +20度52分51.9 秒 (2000年分点)
 安部さんが7月23、31日、8月4日に撮影した写真では、この位置に天体は
写っていませんでした。新天体とよく一致する位置には18等の天体があり、こ
の天体が今回増光した可能性も考えられます。
 新天体が新星であるかどうかは、今のところ明らかにはなっていません。今
後の光度変化の追跡や、スペクトル観測などが待たれます。
 安部さんは、これまでに多くの小惑星を発見してきたベテランのアマチュア
天文家です。新星を発見したのは今回が初めてとなります。
 日本人の活躍による新星発見が続いています。今年は日本人によって、M31
に出現した新星2個を含めてすでに7個の新星が発見されており、この天体が新
星であれば8個目となります。
 
参照:
 CBET No.1027 : POSSIBLE NOVA IN VULPECULA (2007 Aug 8)

 VSOLJ ニュース (178)
  松江市の安部さん、こぎつね座に新星らしい天体を発見 (2007年8月9日)

2007年8月9日            国立天文台・広報室