アストロ・トピックス

No.298: すばる望遠鏡が土星に3個の新衛星を発見

 国際天文学連合 (IAU) は、5月11日、土星に3個の新衛星が発見されたこと
を国際天文学連合回報 (IAUC) に発表しました。これらの新衛星は、シェパー
ド (S. S. Sheppard) さんらの研究チームによって、マウナケア山頂にある
“すばる望遠鏡”を用いた観測から発見されたものです。彼らの研究チーム
は、昨年6月にもすばる望遠鏡を用いた観測から土星に9個の新衛星を発見した
ばかりで、目覚ましい活躍と言えるでしょう。
 今回発見された新衛星には、それぞれ「S/2007 S 1」「S/2007 S 2」
「S/2007 S 3」の仮符号が付けられました。マースデン (B. G. Marsden) さ
んの計算によると、これらはそれぞれ895日、793日、992日で土星のまわりを
公転しており、また「S 2」と「S 3」の2衛星は公転方向が逆行であることが
判明しています。
 今回の発見により土星の衛星の数は、確実なものとして59個、不確かなもの
まで含めると62個となりました。この数は、太陽系の惑星で最も多い衛星を持
つ木星 (確実なもの62個、不確実なものを含めると63個) に肉薄するもので
す。
 参照:
  IAUC No. 8836 : S/2007 S 1, S/2007 S 2, AND S/2007 S 3 (2007 May 
11)
  惑星の衛星一覧 (国立天文台)
   http://www.nao.ac.jp/new-info/satellite.html
  国立天文台 アストロ・トピックス (220)
  “すばる望遠鏡”が土星に新衛星9個を発見
   http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000220.html
2007年5月16日            国立天文台・広報室