自然科学研究機構 国立天文台

No.248: カッシーニが土星に新しい環を発見

 土星探査機「カッシーニ」が土星に4個の新しい環(リング)を発見しました。
 カッシーニ探査機は2004年7月に土星の周回軌道に入り、以後、土星本体や
衛星・環などの観測を続けてきました。2004年9月には2個の新しい環 (仮符号
は R/2004 S 1 と R/2004 S 2) を発見しました。
 今回発見された新しい環は、仮符号 R/2006 S 1 ~ R/2006 S 4 の4個です。
これらの環は9月9日にカッシーニ探査機が撮影した高分解能の写真と9月15日
にカッシーニが土星本体の影に入って太陽の光が遮られた状態で撮影した写真
から発見されたものです。
 土星の第10番衛星ヤヌス(Janus)と第11番衛星エピメテウス(Epimetheus)は同
じ軌道上を回る2つの衛星ですが、新しい環の1つ R/2006 S 1 はこれらの衛星
の軌道と重なっており、幅は約5000キロメートルあります。別の環 R/2006 S 2 
はカッシーニ探査機が2004年に発見した第33番衛星パレネ(Pallene)の軌道と重
なっており、幅は約2500キロメートルです。パレネの軌道の近くには同じくカッ
シーニ探査機によって発見されたほぼ同じ大きさの第32番衛星メトネ(Methone)
がありますが、こちらの衛星に重なる環は存在が認められず、なぜパレネだけに
重なる環があるのかは謎になっています。これらの2つの環は CICLOPS (Cassini
Imaging Central Laboratory for OPerationS) のサイト
http://ciclops.org/view.php?id=2276
の2番目の写真に示されています (Janus/Epim. Ring と書かれているのが
R/2006 S 1、Pallene Ring と書かれているのが R/2006 S 2 です)。あとの2
つの新しい環はA環とB環の間のカッシーニ空隙の中にあります。R/2006 S 3
はカッシーニ空隙の一番外側のギャップの中にあり幅は約50キロメートル、
R/2006 S 4はそれより内側でカッシーニ空隙内の幅の広い2つの環の間にある
極めて細い環で幅はわずか6キロメートルほどです。これらの環は
http://ciclops.org/view.php?id=2206
の2番目の写真に示されています (New Ringlets と書かれた2つの環のうち、
右側が R/2006 S 3、左側が R/2006 S 4 です)。R/2006 S 3 は太陽に照らさ
れていない側から撮った写真で特に明るく写っていることから、小さな多数の
粒子から成り立っていると考えられています。


参照:
  国立天文台 アストロ・トピックス(22)
   カッシー二探査機、いよいよ土星へ到着 (2004年6月30日)
   http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000022.html

  国立天文台 アストロ・トピックス(47)
   カッシーニが土星の新しい衛星と環を発見 (2004年9月16日)
   http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000047.html

  NASA - カッシーニ ホイヘンスのページ (英語)
   http://www.nasa.gov/mission_pages/cassini/main/index.html

  IAU Circular No. 8759 (2006 Oct 11)
   RINGS OF SATURN (R/2006 S 1, R/2006 S 2, R/2006 S 3, R/2006 S 4)

       2006年10月13日           国立天文台・広報室

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国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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