アストロ・トピックス

No.236: 板垣さんら、アンドロメダ座に超新星を発見

 山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、口径60センチ
メートルの反射式望遠鏡(f/5.7)にCCDを据付けて撮影したアンドロメダ座方向
の銀河NGC 214の画像の中に17.8等星の超新星を発見しました。この発見は兵
庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報
告され、この超新星は「2006ep」と命名されました。

 この超新星は、アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT(Katzman Automatic
Imaging Telescope)グループのジューベルト(N.Joubert)さん、リー(W.Li)さん
たちもほぼ同時に発見しています。

 超新星の発見日時と位置は、

  発見日:2006年8月30.35日=8月30日8時24分(世界時)
  赤 経: 00時41分24.88秒
  赤 緯:+25度29分46.7 秒 (2000年分点)

です。

 この天体はNGC 214の中心核位置から、西に約43秒角、南に約11.3秒角ほど
離れたところにあります。この超新星の発見前後の明るさは、8月21.6日(世
界時、以下同様)19等以下(板垣)、8月25.37日19.2等以下(KAIT)、8月26.64日
19等以下(板垣)、8月30.35日17.8等(KAIT)、8月30.637日18.1等(板垣)、8月
31.60日17.8等(板垣)でした。9月2日には外国の天文台で、この星の分光観測
が行われ、極大光度付近の明るさにある超新星と分かりました。

 板垣さんは今年7月にはうしかい座に (国立天文台 アストロ・トピックス
(226))、5月にはペガスス座に (同 (212))、4月にはおおぐま座に (同 (202))
それぞれ超新星を発見しており、今回はそれに続く快挙です。これでご自身の
発見数(独立発見を含む)は通算20個となり、日本人アマチュア天文家による超
新星発見個数の最多記録をさらに伸ばしました。

参照:
  国立天文台 アストロ・トピックス (226):
     板垣さん、うしかい座に超新星を発見 (2006年7月27日)
 IAU Circular No. 8744 : SUPERNOVAE 2006ep etc. (2006 Sept 2)

       2006年9月4日           国立天文台・広報室