アストロ・トピックス

No.226: 板垣さん、うしかい座に超新星を発見

 山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、7月25日の夜(
日本時間)、口径60センチメートルの反射式望遠鏡を使ってCCDで撮影した、う
しかい座の銀河NGC5587の画像の中に、16.6等級の超新星を発見しました。こ
の発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報
中央局に報告され、超新星は「2006dy」と命名されました。
 その後、アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT (Katzman Automatic Imaging 
Telescope) でも、22.22日(世界時)には18.5等級、26.20日(同)にも16.5等級
で撮影されていることが確認されました。発見時には増光中であったと見られ、
爆発後それほど時間が経過していないものと思われます

 報告された超新星の位置は次の通りです。

     赤経: 14時22分11.45秒
     赤緯:+13度55分14.2 秒 (2000年分点)

 NGC5587の中心からは、東に10秒角、北に9秒角離れた位置です。

 板垣さんは、昨年だけでも4個の超新星を発見し、今年に入ってもすでに、4
月にはおおぐま座に超新星2006bpを(国立天文台 アストロ・トピックス(202))
、5月にはペガスス座に超新星2006chを発見(同(212))しています。通算の超新
星発見数は19個となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多
記録をさらに伸ばしました。

 この超新星の詳しい性質はまだ明らかになっていません。今後の光度変化の
追跡や分光観測が待たれます。


参照: SUPERNOVA 2006dy IN NGC 5587  CBET 586 (2006 July 26).
       超新星2006dyを山形の板垣さんが発見  VSOLJ ニュース (155)
         (2006年7月26日)

        2006年7月27日            国立天文台・広報室