アストロ・トピックス
No.202: 板垣さん、おおぐま座に超新星を発見
山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、口径60センチ メートルの反射式望遠鏡にCCDを使って撮った、おおぐま座の銀河、NGC 3953 の画像の中に 16.7等級の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主 一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この 超新星は2006bpと命名されました。 超新星の発見時刻は4月9.60日(世界時、以下同様)、明るさは16.7等ほどでし たが、その後の観測では15.8等まで急激に増光中です。新星や超新星が増光中 に発見されることは少なく、物理的に大きな知見が得られることから分光観測 が大いに期待されます。 超新星の位置は、 赤経: 11時53分55.74秒 赤緯:+52度21分09.4 秒 (2000年分点) です。 この天体は NGC 3953 の中心位置から、東に約1分角、北に約1.5分角のところ にあります。また、板垣さん自身が観測した3月19日、23日には、この位置には 星像は写っていませんでした。 板垣さんは昨年8月、うしかい座に超新星を発見していますが(国立天文台アス トロ・トピックス (135))、今回はそれに続く快挙です。これでご自身の発見(独 立発見を含む)は通算17個目となります。因みに超新星の発見は、2月にかみのけ 座に超新星を発見した鈴木章司(すずきしょうじ)さんに続き、板垣さんは日本人 としては今年二番目となります。 参照: SUPERNOVA 2006bp IN NGC 3953 CBET No.470 (Apr.9 2006). 2006年4月10日 国立天文台・広報室