アストロ・トピックス
No.183: 鈴木さん、かみのけ座の銀河に超新星を発見
千葉県山武郡大網白里町の鈴木章司(すずきしょうじ)さんが、超新星を発見 しました。 鈴木さんは2月5日(日本時間)の明け方、口径317ミリメートル(焦点距離2857 ミリメートル、f/9)の反射望遠鏡に冷却CCDカメラを使って撮影した、かみのけ 座の渦巻銀河 NGC 4321 (= M100) に17等級の超新星を発見しました。この発見 は国立天文台の相馬充(そうまみつる)さんを通じて国際天文学連合に報告され ました。7日にはイタリアの M. Migliardi さんも15.3等級で独立に発見してい ます。 この超新星は 2006X と命名されました。 M. Migliardi さんの測定した、超新星の位置は、 赤経: 12時22分53.99秒 赤緯:+15度48分33.1 秒 (2000年分点) です。 2006X は NGC 4321 の銀河中心核から西に12秒、南に48秒はなれたところに 出現しました。 鈴木さんは今年1月初旬から今月初旬にかけて、この銀河を観測していました が、先月観測したときの画像には超新星らしき天体は写っておらず、今月の観 測した画像には超新星が写っていました。 なお、この超新星の明るさは2月8日(日本時間)現在、15.3等に達しており、 発見時に比べて増光しています。増光中に発見される超新星は珍しく、分光観 測など今後の追跡観測が期待されます。 日本人による個人の超新星発見は昨年12月の市村さんの発見以来で、今年に 入り最初の発見となります。 M100 は、私たちに最も近い銀河団である「おとめ座銀河団」に属する渦巻 銀河です。この銀河には、これまでに4つの超新星が発見されており(1901年、 1914年、1959年、1979年)、星形成がかなり活発な銀河であると考えられます。 なお、M100はおとめ座銀河団に属してはいますが、星座境界線を越え、かみの け座の空域に属しています。 参照:IAUC 8667 (Feb.7 2006). VSOLJ ニュース (148) 千葉の鈴木さん、M100に超新星を発見 (2005年2月8日). 2006年2月8日 国立天文台・広報室