アストロ・トピックス

No.179: 国立天文台のALMA(アルマ)計画の近況とこれからの講演会

 国立天文台のALMA(アルマ)計画に関心をお持ちの皆さま。だいぶ遅くなって
しまいましたが、新春号をお届けします。本年もどうぞよろしくお願いいたし
ます。
 さて、早速ですが、国立天文台が進めているALMA計画の近況報告と、これか
ら行われる一般向け講演会等についての案内をお送りします。最新情報につい
てはALMAのホームページ http://www.nro.nao.ac.jp/alma/ をご覧下さい。

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【近況報告】

 チリでは4年に一度の大統領選挙が終了し、1月15日に行われた決選投票の後、
バチェレ氏が勝利し、南米初となる女性大統領が誕生しました。ALMAサイトか
ら目と鼻の先にある隣国のボリビアでは1月18日に先住民初の大統領が誕生する
など、南米はいろいろな話題で盛り上がっています。1月に入ってからサンチャ
ゴではまだ雨が降っておらず、いつもにも増して暑い夏となっています。

 現地ではインフラ工事が急ピッチで進められています。山頂では日本が担当
するACA(アタカマコンパクトアレイ)システムの設置場所の地質調査が無事終了
し、当初予定通りの場所に設置できる見込みとなりました。山頂施設のちょう
ど真正面にACAのアンテナ群が並ぶことになります。一方山頂建物の工事も順調
に進められており、すでにACA相関器室の床のコンクリートの打設も終了してい
ます。標高2900メートルにある山麓施設のアンテナ組み上げ場所の整備もまも
なく始まる予定です。

 また、アンテナの評価試験が行われていたアメリカ・ニューメキシコ州のア
メリカ国立電波天文台のVLA(Very Large Array)観測所の敷地内では、試験を終
えたアンテナの解体作業がほぼ完了しました。この作業の模様はまもなく完成
予定のALMA建設記録映画パート3の中にも収められています。

 国立天文台三鷹キャンパスでは米欧が提供するアンテナを含む全てのアンテ
ナに搭載するためのミリ波・サブミリ波の3バンド(バンド4、8、10)の受信機の
開発のほか、米欧が分担する受信機をACAシステムに搭載するための検討も進め
られています。バンド4(150ギガヘルツ(GHz)帯)とバンド8(500ギガヘルツ帯)で
は評価モデルの評価が終了し、量産機の設計に取りかかっています。また、ソ
フトウェアは米欧と完全に融合して開発されており、アメリカ、イギリス、フ
ランスなどの機関への長期出張者が米欧のチームの中で開発を支えています。

 こういったもの作りの一方で、望遠鏡建設の本来の目的である天文学研究の
戦略的な検討も本格化しました。大学研究者を中心に、電波天文学だけでなく
理論天文学や光学赤外線天文学など幅広い分野の研究者が集い、ALMAの個別の
重点研究分野について、具体的な検討を進めています。また、台湾との協力に
ついても密な検討が進んでいます。

 そのほか、写真ニュースにもいろいろ載せてありますのでどうぞご覧くださ
い。

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【一般向け講演会・施設公開・展示等】

◎科学ライブショー・ユニバース「南米からの星だより: ALMA計画」
 日時:2006年 2月 4日(土) 14:30~15:10、15:30~16:10
 場所:科学技術館

◎第8回ALMA公開講演会「(テーマ未定)」
 日時:2006年5月下旬
 場所:福岡県青少年科学館(予定)

参照:[alma-supporter-060130 29] ALMA ニュースリリース (200 6年新春号)
         http://www.nro.nao.ac.jp/alma/J/newsletter-j/news_20060130.txt
   ALMA推進室 http://www.nro.nao.ac.jp/alma/
    写真ニュース
         http://www.nro.nao.ac.jp/alma/J/photonews/index.html

         2006年1月31日           国立天文台・広報室