アストロ・トピックス

No.165: 国立天文台のALMA(アルマ)計画の近況とこれからの講演会

 日本はそろそろ晩秋でしょうか。チリでは大統領選挙と上下両院選挙を12月
11日に控え、いつもに増して暑い夏が始まろうとしています。

 さて、国立天文台が進めているALMA計画の近況報告と、これから行われる一
般向け講演会等についての案内をお送りします。最新情報についてはALMAのホー
ムページ http://www.nro.nao.ac.jp/alma/ をご覧下さい。

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【近況報告】
 文部科学省からALMA計画の推進に関して来年度分として29億2400万円が要求
されました。これに対して今年も例年と同様に総合科学技術会議による評価が
行われ、ALMA計画の評価は例年通りS-A-B-CのうちのAランク(重要な施策等であ
り、着実に実施すべきもの)として位置づけられています。
   http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu49/siryo2-2.pdf

 国内での機器の開発も着々と進められています。組織関連で言えば8月1日に
天文機器開発実験センターとALMAの受信機開発グループを統合して先端技術セ
ンターが発足しました。当面の戦略的開発研究テーマはALMAの超伝導SIS素子お
よび受信機の開発で、ALMA推進室と密接に連携し全力でALMAの開発を推進しま
す。また、日本が担当するアタカマコンパクトアレイ(ACA)システムの予備設計
の国際審査会が11月10日から11日にかけて三鷹で行われ、欧米から招聘した外
部審査委員から非常に高く評価されました。一方、評価を終えた日本の試作ア
ンテナの撤収作業がアメリカ・ニューメキシコ州のALMA試験施設(ATF)で始まり
ました。前回ご案内したバーチャルツアーのチリコースに加えてATFコースも新
たに追加されましたのでどうぞお立ち寄りください。

 チリではいよいよ山頂施設の工事も始まりました。山麓施設の工事も引き続
き進められています。

 国際的にも大きな動きがありました。9月8日には自然科学研究機構と台湾の
中央研究院の間(実施機関:国立天文台と天文及天文物理研究所)でALMA建設時
における協力に関する協定の調印式が行われ、台湾も日本との協力の枠組みで
ALMAに参加することになりました。

 さらに、計画のちょっとした進捗や日常の光景など、肩のこらない話題につ
いて気軽かつ迅速にお伝えするために、このニュースレターに加えて密かに写
真ニュースを不定期ながら頻繁にホームページ上で発行してきました。バック
ナンバーがかなり充実してきましたのでここで改めてその存在についてお知ら
せしておきます。

 ALMAの完成とそれを用いた研究の早期実現に向けて、引き続き皆様のご支援
をお願いいたします。

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【一般向け講演会・施設公開・展示等】

◎天文学普及講演会「アンデスの巨大電波望遠鏡ALMAでさぐる銀河と惑星系の誕生」
 日時:2005年12月17日(土) 14:00~16:00 
 場所:国立科学博物館 新館3F講義室

◎第54回SISTサロン「電波で探る未知の宇宙 ~ ALMAプロジェクトの紹介 ~」
 日時:2006年 1月27日(金) 18:00~20:15
 場所:静岡理工科大学 管理棟2階208号室

◎第8回ALMA公開講演会「(テーマ未定)」
 日時:2006年
 場所:福岡エリア:詳細未定

参照:[alma-supporter-051201 26] ALMA ニュースリリース (2005 年秋号)
         http://www.nro.nao.ac.jp/~lmsa/newsletter-j/news_20051130.txt
   ALMA推進室 http://www.nro.nao.ac.jp/alma/

       2005年12月2日           国立天文台・広報室