アストロ・トピックス
No.088: 長谷田さん、らしんばん座に新星らしき天体を発見
愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんが、らしんばん座に新星ら しき天体を独立に発見しました。この発見は九州大学の山岡均(やまおかひとし) さんを通じて国際天文学連合に報告されました。 この天体は、3月11.191日(世界時、以下同様)に、南米チリのラスカンパナス 天文台に置かれた全天自動捜索システム(ASAS-3; 注)によって発見されたもの です。 長谷田さんは、16.45日に撮影した写真でこの天体に気付き報告されました。 確認観測を行なった板垣公一(いたがきこういち)さんによれば、この天体の 位置は、 赤経: 9時18分58.50秒 赤緯:-29度42分37.0 秒(2000年分点) で、冬の天の川銀河の縁にあります。 増光前に撮影された画像では、この位置に18等ほどの天体があり、この星が 増光したとすると増光幅は6等ほどで、新星であるかどうか今後の追跡観測が待 たれています。 長谷田さんは、新星を数多く発見されている観測者です。長谷田さんの今回 の発見は2002年9月20日のいて座新星(V4743 Sgr = Nova in Sgr)に次ぐもので、 通算4個目の発見となります。 参照:VSOLJ ニュース (138) 長谷田勝美さん、らしんばん座に新星らしき天体を独立発見 (2005年3月17日). IAUC 8495 (Mar. 16 2005). 2005年3月17日 国立天文台・広報普及室 注:ASAS-3:"The All Sky Automated Survey" (ASAS; 全天自動捜索) の第3世 代の装置で、ポーランドのワルシャワ大学などの研究チームによって、 チリのラス・カンパナス天文台に設置されている。観測装置は最大でも 口径20センチメートル強と小型だが、広角CCDカメラを含めた3台の機材 によって、観測できる空全体で14等星ぐらいまでの約1000万個の星の変 光を常時測定しようという野心的なシステム。観測結果は即時に解析さ れ、インターネット上で誰でもデータを検索する形で発表されている。 (出典:VSOLJ ニュース (103) ASAS-3自動サーベイ望遠鏡が記録した いて座新星(V4745 Sgr) 2003年 5月 3日)。