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しぶんぎ座流星群(2006年1月4日早朝極大)

彗星と流星群 | しぶんぎ座流星群の特徴 | 流星群を観察するには | 関連情報

「初春の流星群を眺めよう」キャンペーン

報告の受付は終了しました。ご協力ありがとうございました。
 集計の結果は集計結果ページでご覧いただけます。

国立天文台では、夜空を眺める機会を多くの方に持っていただこうと企画しているキャンペーンの第6弾として、2006年早々に活動するしぶんぎ座流星群を対象にして、「初春の流星群を眺めよう」キャンペーンをおこなうことにしました。1月4日午前1時から空が明るくなり始めるまでの間に、15分間以上星空を眺め、その間に何個の流れ星を見ることができたかを、報告ページから報告していただこうというものです。(1月3日から4日にかけての夜だということにご注意ください。)

真夜中過ぎの現象のため少し大変かもしれませんが、冬休みやお正月休みの方も多いと思いますので、初春の運試しに(?)夜空を眺めてみませんか。携帯電話からでも参加できますので、これまで流星を見たことのない方なども、ぜひお気軽にご参加ください。

ご報告をいただく項目は、「流星を見た時刻」「流星を見ていた時間」「観察結果」「都道府県」などを予定しています。


携帯電話用のキャンペーンページへは、 http://www.nao.ac.jp/i/ からアクセスしてください。

彗星と流星群

彗星と流星の関係を説明した軌道図流星(流れ星)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく摩擦を起こし、高温になって光って見える現象です。

彗星(ほうき星)はこのようなチリの粒を軌道上に放出しているため、チリの粒は、それを放出した彗星の軌道上に密集しています。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、チリの粒がまとめて地球の大気に飛び込んできますので、短い時間にいくつもの流星が出現することになります。これが流星群の起こる仕組みです。地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっていますので、毎年特定の時期に特定の流星群が出現するわけです。
流星群の元になるチリの粒は、同じ方向からやってきて地球大気に飛び込んできます。それぞれのチリの粒はほぼ並行に地球の大気に飛び込んできますので、それを地上から見ると、ある流星群に属している流星は、ほしぞらのある一点から放射状に飛び出すように見えます。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、放射点がある星座の名前で「○○座流星群」と呼ばれます。

流星群の流星は、放射点が地平線の上にあるときにしか出現しません。放射点が地平線の下にあるときには、流星の元になるチリは地球の裏の方向からやってきていることになりますので、自分の上空にある大気に飛び込むことがないためです。また、放射点が高い位置にあるほど、多くの流星が出現します。

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しぶんぎ座流星群の特徴

「しぶんぎ座」という名前は、現在では存在しない「壁面四分儀座」に由来しています。星座は無くなっても、流星群の名前としてはそのまま使われています。しぶんぎ座流星群の放射点は現在のりゅう座とうしかい座の境界あたり、りゅう座ι(イオタ)星付近にあります。このため、しぶんぎ座流星群は「りゅう座ι流星群」とも呼ばれます。

しぶんぎ座流星群は、毎年1月4日ころを極大として活動している流星群です。(流星群が最も活発に活動する時期のことを「極大」と呼びます。)

1年の間にはたくさんの流星群が活動しています。その中でも、しぶんぎ座流星群は、8月の「ペルセウス座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と並んで、「3大流星群」のひとつに数えられます。これら3つの流星群が、毎年比較的安定して、まとまった数の流星を見せてくれるからです。ただ、ペルセウス座流星群やふたご座流星群が、極大日を中心に数日間の活動を続けるのに比べ、しぶんぎ座流星群の極大は数時間程度しか続きません。そのため、極大の時刻が日本でちょうど観察に適した時刻に当たればたくさんの流星を見られる可能性がありますが、そうでない場合にはほとんど流星を見ることができません。

2006年のしぶんぎ座流星群の極大時刻は1月4日午前2〜3時(日本時間)と予想されています。しぶんぎ座流星群の放射点が地平線上に上ってくるのは真夜中すぎですので、この極大時刻は、しぶんぎ座流星群を日本で観察するのにぴったりであると言えるでしょう。

極大時刻のほかに、たくさんの流星を観察できるかどうかに大きく影響するのが、月明かりです。明るい月があると、月明かりに邪魔されて暗い流星が見えなくなり、観察できる流星数は減ってしまいます。月の満ち欠けの状態は年によって違いますが、2006年のしぶんぎ座流星群では、1月3日の日の入り後の南西の空に細い月が見えているだけで、その月もすぐに沈んでしまい、それからは月のない星空が朝まで続きます。

極大が観察しやすい時刻に当たり、月の影響もほとんどないという好条件が揃うことはなかなかなく、次にこのような好条件が巡ってくるのは8年後の2014年のことになります。このような条件のよい年には、空の暗い場所で観察すれば、1時間に数十個の流星を見ることができるかもしれません。

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流星群を観察するには

どんな道具が必要?

望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で見てください。

どんな場所で見ればよい?

晴れていれば、日本全国、どこででも見ることができます。(ただ、観察する場所が北にあるほど、放射点が早い時刻に高い位置に上りますので、それだけ多くの流星が出現すると思われます。また、アメリカやヨーロッパなど日本から遠い地域では、極大の頃に夜でなかったり、放射点が地平線上に上っていなかったりして、観察にはあまり適していないと思われます。)

できるだけ大都市から離れ、近くに街灯など人工の明かりがない場所を選びましょう。
流星などの天体は、大都市や街灯の明かりに比べてとても弱い光しか出していません。人工の明かりの影響が強いほど、多くの流星が人工の明かりに邪魔されて見えなくなり、それだけ、見ることのできる流星の数が減ってしまいます。

いつ見ればよい?

しぶんぎ座流星群の放射点は、真夜中頃に北東の方角から上ります。このため、真夜中より前には、流星群の流星はほとんど出現しません。時間が経つにしたがって放射点の高度は高くなっていきますので、放射点の高さだけで考えると、できるだけ遅い(明け方に近い)時刻のほうが流星の出現数は多くなるはずです。

また、流星群の活動の極大は1月4日午前2〜3時だと予想されています。(3日から4日にかけての夜だということにご注意ください。)このことは、午前2〜3時頃に、流星の元になるチリが最も密集した部分を地球が通過するだろうということです。チリが多ければ、それだけ多くの流星が出現するはずです。ただ、チリの分布が直接観測されているわけではありませんので、必ず予想どおりになるとは限りません。

今回のキャンペーンでは1月4日の午前1時から空が明るくなり始めるまでの間に、星空を眺めるよう呼びかけています。流星がどの時刻にどのくらい活発に出現するかははっきりと予測できませんが、確実なのは、空を眺めていなければ流星を見ることはできないということと、できるだけ長い間空を見ていれば、それだけたくさんの流星を見ることができるはずだということです。

どの方向を見る?

1月中旬午前2時頃の星空しぶんぎ座流星群の放射点はりゅう座ι星の近くにありますが、放射点のある方向だけに流星が出現するわけではなく、流星は夜空のどこにでも現れます。

ですから、放射点の方向にはあまりこだわらず、できるだけ空が広く見渡せる場所を選んで、空の広い範囲に注意を向けるようにしましょう。空をより広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉える可能性が高くなります。放射点近く に出現する流星は、こちらに向かって飛んでいるために短い軌跡の流星が多くなります。一方、放射点から離れた方向では、流星を横から見ることになるために、長い軌跡の流星が多くなります。

図は、1月中旬午前2時頃の星空を示しています。(クリックすると大きな画像を見ることができます。)流星を見たら、流星が流れたのとは反対の方向に軌跡を延長し、その延長線がしぶんぎ座流星群の放射点を通れば、その流星はしぶんぎ座流星群の流星である可能性が高いといえます。
星は日周運動によって動いています。違う時刻に星空を見ると、星の見える位置がこの図とは違いますのでご注意ください。(日本国内であれば、見る場所による差はほとんどありません。)

他に注意することは?

明るい屋内から屋外に出てすぐには、目が暗さに慣れていません。何分か屋外にいて目を慣らしてから、やっと星や流星などの暗いものが見えるようになります。家から出て流星が見えないからといってすぐにあきらめてしまわずに、しばらく目が慣れるまで待つことが必要です。

冬の夜に何十分も屋外でじっとしている経験をすることは、なかなかないことかもしれません。寒さには十分注意してください。普段夜間に外出するときよりもさらに厚着をすることをお勧めします。カイロなどを使うのもよいかもしれません。

観察の際には、周囲の安全に十分に気を付け、危険に巻き込まれたり、周りに迷惑をかけたりしないようにしてください。 大変遅い時間での観察になりますので、お子さんは、必ず、保護者など大人の人と一緒に出かけるようにしましょう。

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