自然科学研究機構 国立天文台

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No.507: 渦巻銀河の外縁部で活発な星形成活動を確認

 すばる望遠鏡主焦点カメラで取得された渦巻銀河 NGC 6946 の画像解析か
ら、この銀河の外縁部の活発な星形成活動の様子が明らかになりました。

 銀河円盤をほぼ真上から見ることができる NGC 6946 は、銀河内の場所によ
る星形成活動の差異を調べるのに適した銀河です。今回の観測でデータを取得
 するために使った観測時間はわずか40分程度でしたが、良質な画像データを
取得することができ、星形成活動を示す電離水素領域を1413個も検出すること
に成功しました。
 今回の観測で得られたデータの特長は、星形成活動の指標となる水素の電離
輝線を捕らえるフィルターを用いて、今まで観測されてこなかった銀河の外縁
部までを広く深く観測したことです。この研究によって、今まで詳しく調べら
れていた領域の2倍以上外側にあたる、銀河中心から半径60,000光年以上とい
う辺境部にも、電離水素領域が存在することが初めてわかりました。このこと
は、銀河の星がわずかしか存在しないような領域でも、星が生まれていること
を示すものです。
 さらに、電波観測から得られている中性水素の分布と電離水素領域の分布の
比較を行ったところ、多くの電離水素領域が中性水素の少ない部分の縁をなぞ
るようにして分布していることがわかりました。このことから、中性水素の局
所的な疎密が星形成活動を引き起こす条件の一つであろうと考えられます。
 これまで、銀河外縁部における星形成活動はあまり理解されていませんでし
た。この観測データは、銀河外縁部の研究を行う上で、良質で広範囲をカバー
した基礎的観測データとして役立つと期待されています。

 この観測研究は、「すばる望遠鏡観測研究体験企画 (注)」に参加した学生
によって行われたもので、日本天文学会2009年秋季年会で報告されました。

注:ハワイ観測所で毎年開催している、大学学部生対象の体験企画。事前に望
  遠鏡や観測装置の仕組みを学ぶとともに、実際にハワイ観測所へ渡航し、
参加者自身の手ですばる望遠鏡を使った観測を行うことを通して、観測天文学
研究を体験する。

参照:

 渦巻銀河NGC6946外縁部の活発な星形成活動~「すばる望遠鏡観測研究体験
企画」参加者による研究成果~(すばる望遠鏡)
  http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2009/09/08/j_index.html

 "2008年度「すばる観測研究体験企画」報告"
  今西昌俊, 2008, 国立天文台ニュース, 182, p4
   http://www.nao.ac.jp/naojnews/data/nao_news_0182.pdf

 

      2009年9月18日            国立天文台・広報室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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