自然科学研究機構 国立天文台

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No.482: 部分日食を安全に観察しよう -目を痛めないために-

 来る7月22日の日食まで、あと1か月を切りました。今から楽しみにしている
人も多いことでしょう。日本では、奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子
島南部などでは皆既日食を、それ以外の場所でも、全国で部分日食を観察する
ことができます。
 その日は、晴れれば多くの人が部分日食を観察すると思われます。これまで
の日食では、誤った観察方法によって網膜が焼け、視野の一部が欠けてしまう
などの事故が報告されています。観察方法を誤ると、最悪の場合失明してしま
う危険性もあります。皆さんはそのようなことにならないよう、正しい方法で
日食を観察してください。
 未成年者に事故が多いとの報告もありますので、保護者の皆さんは、よく注
意をしてあげてください。
 まず絶対にしてはいけないのが、肉眼で太陽を見ることです。肉眼で太陽を
見ると、たとえ短時間であっても、目に大きなダメージを受けます。
 太陽は大変強い熱や光を放射しています。部分日食では、太陽の一部が月に
隠されていますが、たとえ食分 (太陽の見かけの直径が欠ける割合) が90パー
セントや95パーセントとなり、太陽がとても細くなったときでも、危険である
ことに変わりはありません。太陽からの熱や光はそれほど強烈なのです。
 また、適切に減光していない望遠鏡や双眼鏡を使うことは、太陽の光や熱を
強めるためさらに危険です。
 部分食を安全に観察する方法として、間接的に太陽の形を見る方法がありま
す。
 例えば、厚紙など、光を通さないシートに小さな穴を開けて、日食中の太陽
の光を通します。すると、穴を通って影の中に映った太陽の光は、欠けた太陽
の形になります。面白いことに、木もれ日も、同じ原理で、葉の間を通ったそ
れぞれの光が欠けた太陽の形になります。
 また、小さな鏡で反射させた光を遠くの壁に映すと、その光は欠けた太陽の
形になります。反射させた光が人の目に当たらないよう注意してください。
 減光によって太陽を見るには十分な注意が必要です。
 安全に太陽を見るには、太陽専用の日食グラスや遮光板を使ってください。
ただし、その場合でも、長時間連続して観察を続けることは避け、使用上の注
意を必ず守ってください。
 サングラスやゴーグルは、太陽の光を十分に減光できる濃さがありませんの
で、大変危険です。絶対に使わないでください。
 また、ススをつけたガラス板や下敷き・CDも使ってはいけません。たとえ目
ではまぶしさを感じなくても、赤外線 (熱線) は強いまま目に達して、網膜を
焼いてしまうことがあります。以前は、部分日食を観察する方法の一つとして
紹介されることがありましたが、現在では危険な方法だと考えられています。

 現像した白黒フィルムは、安全に見るための条件が大変難しいため、専門家
の指導に従って使用してください。
 全国での日食の見え方など日食に関する情報や、日食の観察方法についてさ
らに詳しくお知りになりたい場合は、以下のページをご覧ください。
 なお、当日、国立天文台三鷹では日食観察イベントは行いませんので、ご注
意ください。
 
参照:
 2009年7月22日皆既日食の情報 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/index.html
 日食を観察する方法 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/obs.html
 日食に関するよくある質問 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/faq.html
 世界天文年2009 日食観察ガイド (世界天文年2009日本委員会)
  http://www.astronomy2009.jp/ja/webproject/soecl/index.html
 
      2009年6月30日            国立天文台・広報室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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