No.478: 約14年ぶりとなる土星の環の消失現象

 土星は、小望遠鏡でも見ることができる美しい「環 (わ)」を持つ惑星とし
て知られています。環は、その大きさ (幅) にくらべると厚みがとても薄いた
め、真横から見た場合には望遠鏡を使っても見ることができず、まるで消えて
しまったかのようになります。このような現象を「環の消失」と呼びます。
 今年の9月4日、約14年ぶりとなる環の消失現象が起こります。残念ながらそ
の頃の土星は、見かけの位置が太陽に近いため観察するのは困難ですが、珍し
いこの現象に注目してみましょう。
 土星の環は、数多くの氷粒が集まったものだと考えられています。望遠鏡で
はっきり見える環の部分の幅は、およそ数万キロメートルにも及びます。これ
に対して厚みは、せいぜい1キロメートルで、数十メートル以下とも報告され
ています。このように環は大変薄いため、地球から見て環を真横から見ること
になる前後の数日間は、見ることができなくなります。環が実際になくなるわ
けではなく、見えない位置関係になるのです。
 土星は、自転軸の傾きを同じ方向に向けたまま、太陽のまわりを約30年かけ
て一周 (公転) しています。そのため、地球から見たときの環の傾きは、約15
年周期で大きくなったり小さくなったりする変化を繰り返していて、環の消失
現象もその周期で起こります。前回環が消失したのは、1995年から1996年にか
けてのことです。
 国立天文台では、この環の消失現象が起こるしくみを広く理解していただこ
うと、環の消失現象の解説ページを公開するとともに、動きによってわかりや
すく現象を解説するムービーを作成しました。解説ムービーは、解説ページ (
ウェブ) からご覧になれますので、ぜひご参照ください。
 現在土星は、夕方に南西ないし西の空に見られます。7月になると、西空低
くなってしまいだんだんと観察しづらくなります。このため、条件よく観察で
きる6月のうちに、傾きが小さいために環が細く見える土星の姿を望遠鏡で観
察してみてはいかがでしょうか。
 
参照:
 土星の環の消失現象の解説 (国立天文台)
  http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090904/index.html
 
      2009年6月10日            国立天文台・広報室

国立天文台 メールニュース

国立天文台 アストロ・トピックスは、2010年6月まで発行していたメールニュースです。2010年7月からは、「国立天文台 メールニュース」として装いも新たにし、注目いただきたいトピックスの主要な内容とその詳細情報の参照先をお届けしています。

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